内容説明
生命誕生40億年のあいだに出来上がった地球の生き物の見えざるルールが、最先端科学で次々と解明されている!
常識が180度くつがえる、生き物のネットワークや知られざる能力。
なぜ、生き物はこんなに多様なのか。そこから進化の秘密も見えてくる!?
植物は危険を感じ、仲間にも伝える。
植物は音も聞くし、ボディガードの昆虫も呼び寄せる。
種類の異なる木々が地下のネットワークで助け合う。
昆虫の小さな翅でなぜ飛べるのか、なぜ8割の昆虫が完全変態するのか。
そんな不思議な生態とともに、昆虫もまた地球の生命体や環境を支える大きな存在だとわかる。
微生物はコミュニケーションしていたと判明!
ヒトも祖先が微生物によって絶滅をまぬがれ、今も、微生物が地球の50%もの光合成を担っていることもわかってきた。
環境問題や宇宙開発で微生物は欠かせない存在となっている。
地球の主人公はヒトではなく、植物・昆虫・微生物だとすら思えてくる。
カラー口絵とともに、NHKスペシャル全3集を一挙収録。
加えて、世界的研究者12名が生物の隠されたパワーを語る。
目次
プロローグ 「生物の多様性」その本当の尊さとは
第1章 植物──植物のメッセージが命あふれる地球を作った
植物がしゃべる! 感じている!つながっている
植物に「感覚」があるという事実をついに可視化
撫でられると植物は嬉しいのか
植物は「音」や「唾液」でも相手を認識していた
植物が発する「会話物質」
植物が呼び寄せたのはボディガードの昆虫
花からのメッセージによって生命多様性の爆発が始まった
地下に広がる知られざるネットワーク
オゾンの増加や温暖化で植物たちのメッセージに異変が
[インタビュー]
●豊田正嗣
「植物の刺激への反応を可視化したとき、鳥肌が立った」
●ハイディ・アペル
植物は昆虫が自分の葉をかじる音を「聞いている」
●髙林純示
植物の「おしゃべり」を解読する
●タミル・クライン
森の木々は地上で競争し、地下で手を握っている!?
第2章 昆虫 全生物を支えてきた奇跡の能力
飛び、変態し、小さなサイズで生物界を圧倒
鳥ではありえない昆虫の飛翔の秘密が明らかに
「完全変態」で昆虫の8割は姿形をまったく変える
誰も見たことのない完全変態をマイクロCTでスキャン
アリの一家に居候する不思議な昆虫たち
渡り虫の大移動が植物や動物に与える恩恵
毎年2・5%のスピードで昆虫が姿を消している
[インタビュー]
●リチャード・ボンフリー
なぜ、昆虫は独特な飛び方ができるのか
●丸山宗利
種の違う昆虫の共生に進化を促す力を見た
●カール・ウットン
ハナアブの大移動が生き物すべてにもたらす恵み
●ケイト・パール
干ばつの影響まで和らげるシロアリの影響力
第3章 微生物 見えない生物が進化の駆動力だった
全生物と共生、隠れた主役のスーパーパワー
微生物によるがん退治が実現する
1トンのプラスチックを微生物が10時間で分解
子孫を残すために宿主のヒトも操る微生物
太古の祖先が微生物を細胞に取りこみ危機を脱した
祖先たちは腸内細菌を得て陸上進出を果たせた
お母さんから赤ちゃんへの「お弁当箱」
地球の50%もの光合成を微生物が担っていた!
微生物のコミュニケーション手段を世界で初めて解明
敵も味方も殺す抗生物質が過剰に使われている
宇宙進出でも微生物はかけがえのない存在に
[インタビュー]
●シビン・ジョウ
細菌の力でがんを治療できる日を現実に
●深津武馬
見えない世界に進化のカギがあった
●マーティン・ブレイザー
微生物との共生を阻害する抗生物質の乱用を警告
●野村暢彦
微生物の「会話」が医療・食・環境問題解決の武器に
エピローグ 異種間のネットワークはまるで3次元の系統樹
おわりに
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