内容説明
学園の裏手には、大きな大きなクスノキがある。縁結びの木と親しまれるその傍に、生徒の遺体が三つ……。良家の子女が集う京都の名門高校で再び相次ぐ怪事件に、名探偵まりあの血がまた騒ぐ。神舞まりあは、自分以外の部員わずか一人という零細古生物部を率いる化石オタクのお嬢様。そして、誰にも認めてもらえない女子高生探偵だ。これまた誰にも見向きもされない古生物部に、なぜか加入してきた怪しい一年生。無理矢理お嬢様のワトソン役にされ続けた男子部員が抱え込んだ黒い秘密。その上、いかがわしい新入生探偵まで登場。怪しさ倍増の果てに、予測不能の結末が!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
319
本格ミステリ、もっと突き詰めて定義するならば、名探偵物というジャンル・世界観への愛に溢れながらも、ミステリであることには拘らない同人作品的な独自路線は相変わらず。個々の作品をミステリとして読んだ時の出来は正直微妙。意図的に解決時まで伏せられている情報があったりするので、読者が謎解きに参加することは不可能。そこには重きをおかず、描写の端々で、徐々に大きく膨らむ違和感を、時系列に沿って追うことに主目的がある。すべてが成功しているとはいえないが、最終章での崩しの美学は流石。さらに続きも書いて欲しい。2023/03/16
starbro
223
麻耶 雄嵩は、新作中心に読んでいる作家です。かなり以前に読んだ「化石少女」シリーズ第二弾、青春ユーモアミステリ、化石美少女探偵物語、連作短編集でした。こんなにへんてこりんな部活と殺人事件の多い高校はありません(笑) https://www.tokuma.jp/book/b622467.html2023/03/21
麦ちゃんの下僕
151
『化石少女』の続編。前作のネタバレがありますし、そのネタバレの内容が今作でも重要な意味を持ちますので、2作連続で読むことをオススメいたします。京都の名門高校・ペルム学園の「古生物部」部長・神舞まりあは3年生に、部員でまりあの“従僕”である桑島彰は2年生に。そして“ある事件”をきっかけに、1年生の高萩双葉が入部。“◯◯探偵”まりあ&“◯◯ワトソン”彰の関係に高萩が加わって、とんでもない“三位一体”が誕生した!?…それにしても、前作を含め2年間で一体何人が死んだのでしょう?この学園、よく存続できてますね(笑)2023/04/21
雪紫
103
「おいおいおいおい。麻耶さんやりやがったよ(白目)😱😱😱」。しれっと前作をネタバレしたその上で、さらなる暗黒へと誘っていく。思い返すと前作は全体(趣向)のために個(事件)を捨てるとこがあったけど、これは引きずったせいで個を捨てるとこがあまりないという・・・。前作との違いが浮かんだり、まりあ先輩が掘り当てた新種の化石誰かの捏造じゃないの?とか思ってたわたしの頭、マジでお花畑!!!好きなのは「化石女」「三角心中」「禁じられた遊び」。誰かコナンかはじめちゃんか木更津呼んでー(ただしメルはノーセンキュー)!2023/03/17
オーウェン
69
まさか続編が出ようとは思わなかったが、よく考えるとまりあは高2だった。 そこで高3の古生物学部のまりあと見守り役の彰の活動を描く。 毎章ごとに起こる殺人事件だが、それをまりあは解決しようとするが、なんとか彰は阻止しようと画策。 これは前作で彰は殺人を行っているので、感づかれないためなのだが。 このホームズとワトソンの関係に、新入部員として高萩が加わる。 この意味が最後の章で明らかになる。 中盤で起きる違和感のせいで、この章だけがという驚きを感じられる。 「禁じられた遊び」というタイトルが実に恐ろしい余韻。2023/05/08