ちょっと踊ったりすぐにかけだす

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紙書籍版価格
¥1,870
  • 電子書籍

ちょっと踊ったりすぐにかけだす

  • 著者名:古賀及子
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 素粒社(2023/02発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784910413105

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内容説明

ウェブメディア「デイリーポータルZ」編集部員・ライターの著者による大人気ウェブ日記を書籍化。書き下ろしを含む2018年から2022年までの日記より、103日分をあつめた傑作選がついに刊行!

母・息子・娘、3人暮らしの
愉快で多感な〈日記エッセイ〉

生活の、愛おしい機微

【推薦のことば】
実験室みたいな、
RPGみたいな、
部室みたいな親子の時間。
あー、今からでも古賀さん家の子に生まれたい!
――岸本佐知子

目次

2018年
心の霧が晴れた隠喩
一緒に普通の量を食べて生きていこう

2019年
どこかの母の模倣だな
こんなでたらめな昼飯があるのか
雨のついた網戸に消しゴムなげてみ
「楽しいよ!」と書いてあると泣きそうになる
資産を有効活用して一日気分がいい
鋭角的にかわいい、鈍角的にもかわいい
水筒という家事がある
空気があったまって膨張したんじゃないの
俺はどうなってしまうのだろう
「あるなら食べる」ほど豊かなことはない
今日の3時ごろすごかった
クイズの脇が甘い
ケーキに隙間をみつけてくやしくて泣いた
0.5人の自分
みんなかわいいかわいいと言って見ています
思えばずっと誰かの歯が抜けていた
冷蔵庫ではないこれはタンスだ
フィクションは雑でも平和だが現実は優しいほうがいい
それでもサンタは強引に来た

2020年
横からスッとドラえもんが入ってくる
ぬいぐるみが助け
いつも私をどん欲に確認する
ていねいに細かく拾って牽制していく
月ばかりみているがそれがいい
椅子の下を這って通り過ぎた
屈辱要素なくわたしをパシらせて
決めてもらえると楽でありがたい
28年の月日を経て落第がむくわれた
子どもが子どもの世界の情報を交換している
なみへい、ふな
今日もかわいいですね
純粋なから揚げの行列
やることがなくて優雅
きっと一生なおらない
体はコンビニに入っていった
送り迎えのことばかり考えていた
気球の絵だ
ふたりで絶対に半分
夜中に目を覚ましたいからもう寝る
チャーハンに気持ちが集中した
いつも自分を気分よくしている
元服である
みんな歯を投げているらしい
ナンから煙が出ているぞ
心を揺さぶらない映画を見きわめる
塩で召し上がるのは後ろめたい
ちょっと踊ったりすぐにかけだす
つつみかくさない自意識
誰かが重いな
真逆の「屋」が来てしまったな
知ってるやつ以外ぜんぶうそみたい
サンタが誰かを知っている人にも来る
全身に力を込めて体をぶるぶるふるわせるから見てて
意外な思春期の来かたをしている
スーコー言わずに飲んでみよ

2021年
あとはエアコンだけある
いまいちばんどうでもいいこと
歯が小さいのだが
私だけが実情を知り不明を実感している、わかっている私がいちばんわかっていない
30秒は10秒が3個
歯の皮一枚
腸壁の側を皮膚にする
なにも起こらない予感
菓子パンは子にやる
糊を買いにいこうくらいの誘い
世界一の墓
餃子の数を数えて
とらわれなさが真実をつかむ
コロナ時代の買い食い
ピザが食べ足りないのは絶対に嫌だ
本当に家族で楽しいだろうか
午後7時25分、逮捕
らくだだと思っていますか?
世の中たいていのことはうまくいかない、なのに
ウーバーイーツのみなさんがぜんぶカブの出前だったら
まだまだ地力を出してはいないはずです
あらぶる群衆
さまざまな感情を一度に持たすなよ
ちゃんとしたファンの人が使う言葉
遊んで暮らさず商売を
治る自信のある肋骨

2022年
とりあえず子らにバナナを渡す
来たな待っていたぞ
前提としてとても明るい
すべてが謎のトラックが
確認して両替を頼む
安ジャムと高ジャム
ペットボトルを海に捨てない
心が遭難している
家のことは、なにもかも忘れてしまう
いないと本当にいない
壺のなかのグリーンカレー
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

117
読友さんおすすめ本。2018年12月21日から2022年9月7日までの不定期な日記風エッセイ。ほぼ母である著者と長男小5〜中2と娘小2〜5との何気ない日常が書かれている。コロナの時期だと感じさせない、家庭内で完結している世界。多感な年頃の子どもたちとの会話は、夢のように消えてしまうものだけど、普段の食事のことや3人で話したことが残されていたら、とても愛おしい。でもそんなやり取りに父親の影が薄いのはちょっと寂しい。「いまはすばらしい仲間と仕事をして友人もみなほがらかで寛容で優しい。こんなにも生きやすい」2023/05/14

fwhd8325

75
これも面白い日記、エッセイでした。なんて素敵な家族なんだろうと思います。息子さんもいいけれど、娘さんが抜群です。お母さんが、子どもたちをとても愛し、子どもたちがお母さんをとても信頼している。今時、こんな親子がいるんだろうかと疑いたくもなるけれど、これは本当の話なんだ。微笑ましく、マスクに隠れた口元がにっこり笑っていました。2023/12/22

まいぽん

24
母である作者と息子と娘の日常が、淡々と、独特のリズム感のある文章で綴られた日記(2018年〜2022年)。ユニークな子らのさまざまな言動を、母が心から面白がって楽しんで生活しているのがいいな。こんなふうにできたら良かったのにな。手作りのご飯もスーパーの惣菜もコンビニご飯も、いつでもうまいうまいと食べている。子どもたちは塾や習い事が忙しそうで、教育熱心さを感じる。でもとにかく3人とものびのびと生きている。寝る前に読んだんだけど、読み心地が良すぎてすぐに眠くなってしまって読了にすごく時間がかかった。2024/04/12

ゆきりんご

20
『本の雑誌』2023年度上半期ベストの上位にランクインしていた作品。息子、娘との日々の暮らしを綴った日記。特別なことがあるわけではなく朝起きて食べてそれぞれ出かけて行って帰ってくる。息子や娘のユニークだったり鋭かったりする一言。それに対して古賀さんが思うこと。食べ物の話も多く、好きなものをうまい、うまいと食べる。生活を一緒に楽しんでいる様子が思い浮かび、ほのぼのしてとてもなごむ。子どもたちが大きくなっていくにつれ、変化していくことへの思いなど共感することも多い。文章から取られたそれぞれのタイトルもいいな。2023/11/15

ミヤビ

18
2018~2022の、母・息子・娘、3人暮らしの日記エッセイ。 ただの他人の日記なんだけど、日常の何気ない会話や気づきの大切さが詰まっていて、ずっとこの日記に浸っていたいと思った。居心地が良すぎる。平凡でほっこりする日常がコロナによって崩れていくのかなとこれ程までにコロナを憎んた事はなかったが、スムーズに自粛生活に慣れていくお子さんを見て、子どもは大人が思っているよりも適応力が高くしっかりしているのだなと感心した。そして著者の擬音語のチョイスが良い。ライターということもあって文章にセンスを感じる。2023/11/02

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