ちくま文庫<br> 神田神保町書肆街考

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ちくま文庫
神田神保町書肆街考

  • 著者名:鹿島茂【著者】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 筑摩書房(2023/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 510pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480438317

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内容説明

世界に冠たる古書店街「神田神保町」はいかにして出来上がったか。幕末から現代にまで至る一世紀半余、そこに蝟集した書店、出版社、取次、大学、語学学校、専門学校、予備校、映画館etc.の栄枯盛衰をさまざまな記憶と記録を召喚して描き出し、日本近代を育んだ“特異点”の全貌を明らかにした大著が、未来の“本の街”への扉を開く「文庫版あとがき」を増補して遂に文庫化!

目次

I/等教育の始まり まず外国語学校から 『高橋是清自伝』を読む 東京大学誕生の背景/4 『当世書生気質』に描かれた神保町/花街と丸善 淡路町の牛鍋屋 書生たちの懐事情/II/5 明治十年前後の古書店/古書店街を作った条例 有斐閣 三省堂書店 冨山房 東京堂書店 東京堂の取次進出 中西屋書店の記憶 中西屋のウイリアム・ブレーク/6 明治二十年代の神保町/白樺派と東条書店 ピカロ・高山清太郎 セドリ事始め 『紙魚の昔がたり 明治大正篇』/III/7 神田の私立大学/明治大学 中央大学 専修大学 日本大学 法政大学 東京外国語学校と東京商業学校 共立女子職業学校の誕生/8 漱石と神田/成立学舎の漱石 坊っちゃんの東京物理学校/9 神田の予備校・専門学校/駿台予備校 百科学校・東京顕微鏡院・遊輪 楽部自転車練習場・東京政治学校・済生学舎/IV/10 神田神保町というトポス/神保町の大火と岩波書店 神田の市街電車/11 中華街としての神田神保町/幻のチャイナタウン 松本亀次郎の東亜学校 中国共産党揺籃の地 古書店街は中華料理店街/12 フレンチ・クォーター/二つの三才社の謎 三才社に集まった人々 仏英和高等女学校 ジョゼフ・コット氏とアテネ・フランセ/13 お茶の水のニコライ堂/異様な建物/V/14 古書肆街の形成/大火以前以後 関東大震災後の古書バブル セリ市での修業 一誠堂の古本教育 九条家本購入始末 「玉屑」と反町茂雄 二百軒の古本屋が並ぶ街 デパートで古書を売る 巌松堂から巌南堂へ 古書の街に救われた命/15 神田と映画館/三崎三座 神田パノラマ館・新声館・錦輝館・東洋キネマ…… シネマパレスと銀映座 その後の東洋キネマ/16 神保町の地霊/駿河台のお屋敷町/VI/17 戦後の神田神保町/『植草甚一日記』 空前絶後の古典籍の大移動 記録の人・八木敏夫 折口信夫と『遠野物語』の出会い/18 昭和四十~五十年代というターニングポイント/中央大学の移転とスキー用品店の進出 鈴木書店盛衰史 一ツ橋グループ今昔 現代詩の揺籃期 古書マンガブームの到来 サブカル・オタク化する神保町/文庫版あとがき/解説──仲俣暁生/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

緋莢

16
文庫本ですが、税込み2200円(購入時)。800ページ近くありますし、元本も550ページ超えで、4620円(税込み。2023年11月時点)だったので、まあ、妥当な値段でしょうか。 神保町の名前の由来は、神保小路に由来、神保小路は元禄二年(1689年)に旗本の神保長治が小川町に屋敷地を拝領したことから呼ばれるようになった、というところから始まります。そもそも東京大学があったことで、著者曰く「知的兵站基地」としての役割があった神保町(続く2024/01/13

Inzaghico

9
古書街としての神保町についてピンポイントに知りたいという人は、ほかの情報が多くて腰が引けたり、手が伸びなかったりするかもしれないが、鹿島は文庫版あとがきで、そんな読者に向けての読み方もアドバイスしている。わかってるんだな、読者層を(笑)。わたしもそのクチだったが、とりあえず通読したら、神保町の豊穣なディ―プさにくらくらした。なまなましい人間の営みが幕末から累々と続いて、神保町の今がある。2023/04/08

まさ☆( ^ω^ )♬

7
学生時代から社会人序盤(1980年代中盤~2000年頃)にかけ、神保町に通い続けていました。沢山の思い出がある愛着ある街の成り立ちについて書かれた本書。書店で見つけ即買いでした。積読にせず直ぐに読み始めましたが、物凄い分量に怖気づき、1日1章をじっくり味わいながら読みました。幕末から昭和にかけて、神保町が古書の街となる経緯が良く分かります。とても興味深い話の数々で楽しい読書になりました。あとがきでALL REVIEWサイトとPASSAGEという共同書店の存在を知り、これは神保町へ行かねば!と思っています。2022/11/14

mft

6
分厚いし文字は小さいし、で読むのに3週間ほど掛かった。神保町が本屋の集積する街としてどう形成されてどういう歴史を辿ってきたかということを各種文献を辿りながら繙いていく。途中、近くに創立された各種の学校(今の大学高校の前身だったものも多い)について長々と寄り道したり、御屋敷町だった本屋街とは少し離れた辺りの話をしたりもあったので、と文句を書こうと思ったが、文庫版後書きにちゃんと興味ない向きはその辺りは飛ばして読んでねって書いてあった。そういえば神保町で一番行くのは明倫館だけどこの本には一度も登場しなかったな2023/03/18

タコチュウ

5
東京で就職した頃、神保町で書店を巡ることが楽しかった。本書で中心的に語られるような高尚な本にはまったく興味がなかったが。それでも近所の本屋では巡り会わなかったであろう多くの本にであった。かなりオタッキーだったし今もあまり変わっていない。神保町の成り立ちには歴史に名を残した多くの人物が登場する。知らなかった街の奥深さが強く印象に残った。バブルに続く不況や日本人の変質に伴って街の様相がかわってしまったが、これからも本の町として生き残ってほしい。 読書メーターに参加して300冊の節目として読だ。2023/03/20

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