内容説明
世界に冠たる古書店街「神田神保町」はいかにして出来上がったか。幕末から現代にまで至る一世紀半余、そこに蝟集した書店、出版社、取次、大学、語学学校、専門学校、予備校、映画館etc.の栄枯盛衰をさまざまな記憶と記録を召喚して描き出し、日本近代を育んだ“特異点”の全貌を明らかにした大著が、未来の“本の街”への扉を開く「文庫版あとがき」を増補して遂に文庫化!
目次
I/等教育の始まり まず外国語学校から 『高橋是清自伝』を読む 東京大学誕生の背景/4 『当世書生気質』に描かれた神保町/花街と丸善 淡路町の牛鍋屋 書生たちの懐事情/II/5 明治十年前後の古書店/古書店街を作った条例 有斐閣 三省堂書店 冨山房 東京堂書店 東京堂の取次進出 中西屋書店の記憶 中西屋のウイリアム・ブレーク/6 明治二十年代の神保町/白樺派と東条書店 ピカロ・高山清太郎 セドリ事始め 『紙魚の昔がたり 明治大正篇』/III/7 神田の私立大学/明治大学 中央大学 専修大学 日本大学 法政大学 東京外国語学校と東京商業学校 共立女子職業学校の誕生/8 漱石と神田/成立学舎の漱石 坊っちゃんの東京物理学校/9 神田の予備校・専門学校/駿台予備校 百科学校・東京顕微鏡院・遊輪 楽部自転車練習場・東京政治学校・済生学舎/IV/10 神田神保町というトポス/神保町の大火と岩波書店 神田の市街電車/11 中華街としての神田神保町/幻のチャイナタウン 松本亀次郎の東亜学校 中国共産党揺籃の地 古書店街は中華料理店街/12 フレンチ・クォーター/二つの三才社の謎 三才社に集まった人々 仏英和高等女学校 ジョゼフ・コット氏とアテネ・フランセ/13 お茶の水のニコライ堂/異様な建物/V/14 古書肆街の形成/大火以前以後 関東大震災後の古書バブル セリ市での修業 一誠堂の古本教育 九条家本購入始末 「玉屑」と反町茂雄 二百軒の古本屋が並ぶ街 デパートで古書を売る 巌松堂から巌南堂へ 古書の街に救われた命/15 神田と映画館/三崎三座 神田パノラマ館・新声館・錦輝館・東洋キネマ…… シネマパレスと銀映座 その後の東洋キネマ/16 神保町の地霊/駿河台のお屋敷町/VI/17 戦後の神田神保町/『植草甚一日記』 空前絶後の古典籍の大移動 記録の人・八木敏夫 折口信夫と『遠野物語』の出会い/18 昭和四十~五十年代というターニングポイント/中央大学の移転とスキー用品店の進出 鈴木書店盛衰史 一ツ橋グループ今昔 現代詩の揺籃期 古書マンガブームの到来 サブカル・オタク化する神保町/文庫版あとがき/解説──仲俣暁生/索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
Inzaghico
まさ☆( ^ω^ )♬
mft
タコチュウ