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内容説明
気鋭の脳神経科学者が、飽きない脳の仕組みを解説
やる気のある人や状態は、やる気のない状態から意識的にやる気を出したわけでなく、脳が「ワクワク」した結果、身体が勝手に動いてノリノリになっている場合がほとんどです。無意識であるという意味では、本来やる気などは存在しません。そのような思い込みが作り出した「モチベーションの壁」を壊すには、脳の喜びを心身に伝えるしかないのです。
モチベーションアップの行動を起こすためには、誰もが生まれつき持っている脳の「統計学習」の機能が有効な手段となります。統計学習とは、脳の潜在的(無意識的)な学習機能です。統計学習によって、脳はさまざまな事柄に対して「次にどんなことがどのくらいの確率で起こるか」を予測し、社会環境の中で何に注意を向けるべきかを適切に察知できます。統計学習において、知っていることばかり起きると脳は「飽きて」しまいます。逆に、脳がワクワクするような適度に新しい出来事が起こると脳のモチベーションが維持され、やる気が身体に伝わるのです。
はじめに
第1章 脳は勝手に判断する――脳の予測とモチベーション
第2章 「脳の壁」を壊す――変化と維持のせめぎあい
第3章 脳と思考の関係――意欲をコントロールする仕組み
第4章 脳の「思い込み」――不満を減らすか、満足感を増やすか
第5章 最高のモチベーションのために――自ら意欲を高める
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チャー
18
やる気が起こる原理を脳の仕組みにも触れながら解説した書。図を多用し説明されており大変わかりやすい。物事への意欲は未知への好奇心から起こり、慣れによって徐々に下がる。ある程度理解できるけれどちょっとわかり難い予測や経験からの微妙なズレが好奇心を促進するなど、なるほどと思う点が多い。モチベーションの捉え方は時代の変化とともに見直す必要があるという指摘は印象的。技術の進化で変化する環境に伴い、人々が満足しやる気を起こす対象も変わってきている。対象に向かう姿勢を俯瞰し、自主性、成長、目的を意識することが肝要。2023/04/23
復活!! あくびちゃん!
5
タイトルを見て「どのようにしてモチベーションを上げるか」という方法が書いてある類書を思い浮かべやすいのだが、そうではなく、この本は「誰もが生まれつき持っている脳の『統計学習』の機能」を有効に使い、無意識の「脳の意欲」が身体に伝わり、行動を起こさせるということを説明している。様々な論文を元にかなり細かく説明されているため、お気楽に読もうとしていた私には、冗長(端的に言うとツマラナイ)で分かりにくく感じた。何かすぐに結果が出るという本ではないが、これまでにはない視点から書かれているのは良いと思いました。2023/02/21
おーいし
3
どうモチベーションを刺激するかと言うよりも、タイトルにあるようにモチベーションと「脳」のはたらき、仕組みを中心に解説した本。ただ、仕組みを元にした刺激するヒントも含まれているのでそういった意味で勉強になった。2023/03/30
らる
3
無意識のモチベーションが思考、行動に影響を与える。カギは「統計学習」/統計学習は無意識的な学習で寝ているときでも絶えず行われている/統計学習にとっての喜びは不確実性を下げて予測精度を上げること。下がる余地の無いこと≒予想通りばかり起こっても喜びにならない/学習し確信度が高い状態になれば、わずかなズレでも認識できる。微妙なズレに人は心を動かされる/仕事のモチベーションは「内容」による満足と「環境」による不満という二つの要素を持つ/2023/03/13
yuka_tetsuya
2
モチベーションを「心の持ちよう」と考える壁が、我々の行動を抑制している。手の届きそうな面白さを嗅ぎ分ける心の「ワクワク」感を栄養として、とにかく体を動かして見ることで、脳を成長させることができる。ついつい、頭の中でモチベーションを高め、動くべき環境を整えてからでないと、動かない自分がいた。脳科学的には、全く逆であることを本書で知った。「適度な多動」がモチベーションを上げる最高の方法である。2023/09/30