内容説明
史料上の制約からほとんどわかっていなかった戦国期の女性たち。本書では、朝廷内の女性、天皇の娘である皇女と、天皇を支えた後宮の女房たちの知られざる姿を解明する。時に天皇家と様々な権門とを取り結ぶ役目を負った皇女たち、そして「皇后不在の時代」にあって天皇の世継ぎを産む役割を担うだけでなく、天皇家の家政、足利将軍、織田信長、豊臣秀吉といった武家権力者との対外交渉、訴訟の仲介、祭祀の取りしきりなど、多方面で躍動する彼女たちの実像を明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
106
戦国時代の衰微した朝廷を守るため公卿たちが奔走した話は有名だが、後宮に仕えた女房もまた戦っていた。武家伝奏と同じく公武の間を取り次いだり、公卿の領地が奪われるのを防ぐため女房奉書を発給するなど実務面で力を発揮していたのがわかる。室町幕府では実質的に幕臣扱いを受けたほか、醜聞解決に采配を振るうなど高位の男たちが表でやり合う裏で事態収拾に寄与していた。こうした働きで困窮する宮廷を財政的に支えたり、あるいは皇子皇女を産むなど朝廷を実質的に取り仕切っていた。現代のキャリアウーマンよりも、その立場は大きかったのだ。2022/07/15
たま
63
『女人入眼』で鎌倉入りする女房像に興味を惹かれてこの本へ。著者によれば、南北朝以降江戸初期までの300年、手元不如意の天皇には正妻の皇后(中宮)がいなかった(女御は16世紀末に復活)。後宮の女房は天皇の子を産み、その子が天皇になって始めて准后や女院になった。後宮女房には官職と定員があり、官職は出自の公家家格と対応していた。天皇の身の回りの世話が女房の主な仕事だが、戦国時代には武将らとの交渉に加わることもあった。また一般に天皇への取り次ぎを頼まれることは良くあっただろうし収入源だったろうと想像できる。→ 2022/10/28
犬養三千代
18
中世から戦国期の宮廷女性のはなし。バイタリティーにとんで精力的な印象。皇后不在のこの期間何故皇后がいないのかも興味がある。また、自分で所領の管理をしたり宮廷で渡り合ったりなかなか頭が良くなくてはつとまらない。親類縁者との交際もあり息抜きもできただろうな。 この人の著作他にも読みたい。2023/09/08
Toska
16
戦国時代の朝廷、あるいは日本の女性史を見る目が豊かになる一冊。律令の官僚制度に女性も組み込まれていたという話は、恥ずかしながら全く知らなかった。これ自体は早くから形骸化したようだが、戦国時代の後宮に勤める女性たちは、実質的に朝廷を支えるスタッフの役割を果たしていた。天皇の身の回りのお世話、儀式、決定事項の伝達、交渉、財政管理…具体例も豊富に紹介され、読んでいて楽しい。2023/02/23
K.H.
13
室町末期から江戸初期にかけては皇后や中宮が立てられることがなく、天皇の血統を残したのは後宮の女房たちだった。そしてその女房たちも決して後宮に閉ざされていた存在ではなく、幕府や大名との交渉役を任されたり、朝廷儀式の中で役割を担ったり、綸旨に代わって効力を持った女房奉書の書き手でもあった…。期待以上に面白い本だった。『お湯殿上の日記』なんていう楽しそうな史料があるのか。でも女中心の戦国史もいいけど、それに対する男たちの反応も翻って気になってきた。この時期の朝廷の研究の進展が待たれる。2022/11/22
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