内容説明
法人類学・法解剖学の世界的権威、英国BBC Two局「長期未解決怪事件ファイル:歴史上のコールドケース」の進行役、ブラック教授が綴る、個人識別技術と身元鑑定にまつわるミステリー風回顧録。
死体解剖資格認定の解剖学教授として後進の指導にあたるかたわら、時には法人類学調査官として警察捜査を支援、時には英国法医学チームの一員として大惨事、大災害、ジェノサイドの現場に赴き、犠牲者の身元の特定に奮闘する。骨片、爪、毛髪等の硬組織のみならず、軟組織付着の遺体の剖検を通じ、先端科学技法を駆使し死体を精査、故人がいかなる最期を迎えたかを見極める。
サルティア・ソサイエティ賞ミステリー部門賞受賞作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
leo
11
この本でなんと言っても秀逸なのは邦題だと思う。原題とは全然違うこのタイトル。なぜに解剖医ではなく、死体解剖の資格を有していると言うだけでこんなにもミステリアスな響きを持つのか(実際筆者の肩書きが多すぎてこう称するしかなかっただけかもしれないけど)。ミステリータッチな自伝とのことだけど実際ミステリー風になっていくのは第8章以降からかと思う。コソボでの体験は子を持つ親としては悲痛な思いだった。死体解剖に携わる筆者ならではの死に対する考えが面白い。2023/10/25
naohumi
5
人の生死とは。自分なりの問いが立った。人体の仕組みについて。身近な人の死について。また、その哀しみについて。様々な遺体に関する具体的な記述もあったり読み進めると哀しさ、儚さ、怖さ、自分ならどうするか?等自分なりに考える事が多い。「生きる」事を肯定しつつ、自分がいつ死んでしまうかは分からない。生きる事も死ぬ事も大切に考える必要がある。また、そう考えて生きる事が生きる上での深さに繋がる。モヤモヤが残るがそんな事を考えさせられた。2023/01/22
takao
4
ふむ2023/04/26
Akira Suzuki
2
死体解剖の話である。一般読者向けに書かれているものの、人体の部位や組織、骨など非常に生々しく、そして詳細に語られる。淡々と冷静に、感情を抑制したサイエンスに奉じる者の語り口である。著者の鋼の意志と繊細な感覚が絶妙にバランスして、それが卓越した業績を実現させていく様を読者に提示する。分厚い本でありながら、読み応えがある。2025/12/03
鴨ねぎ
2
当たり前がそうでない、解説され納得した。死体解剖まで儲け話に結び付けるとは驚きだ。解剖すると色々分かってくる、胃の内容物で死亡時間を推測するのは、皆知っていると思う。タイトルだけ見ると引いてしまうが、内容しだいで小説を読む時に「もしかして伏線?」と知識になる読み物でもあるのかと思いました。作家の方には「これ使えるな!」と小説のヒントになる内容でもあり、間違えると犯罪のヒントで危険かなと。一部は伏せてあるのでいいのだけど、毒にも薬にもなるのだと思いました。2023/04/14
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