文学の扉<br> 雪の日にライオンを見に行く

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文学の扉
雪の日にライオンを見に行く

  • 著者名:志津栄子【作】/くまおり純【絵】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 講談社(2023/01発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 330pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065305119

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内容説明

残留邦人の祖父を持つ、唯人(ゆいと)。父は中国で生まれ、日本で家族をつくったが、唯人がおさないころに帰国してしまった。
唯人は、何をするにも自信がなく、話すのも苦手。
大事なことを自分で伝えられず、いとこの洋(よう)ちゃんにくっついて任せてしまう。
洋ちゃんとクラスが離れた小学五年生の秋学期、クラスに転校生がやってくる。
クラスメイトがあれこれと話しかけても、転校生の生島梓(きじまあずさ)はそっけない返事ばかりして、クラスになじもうとしない。
唯人はそんな梓に親近感を覚えるようになる。

老人福祉施設を訪問してのクリスマス会、年末年始の家族のやりとり、年明けのなわとび大会…。
唯人は、中国残留邦人としておじいちゃんが抱えてきた悩みや家族への葛藤、梓が抱えている孤独を知っていくことになる――。


第24回ちゅうでん児童文学賞 大賞受賞作品。
[選考委員:斉藤洋氏、富安陽子氏、山極寿一氏]

いろいろな者たちの孤独が、あるところでは重なり、他のところでは、同じ言葉ではあらわせないほど遠くへだたっている。元来、孤独ということは、そういうものなのだ。――斉藤洋
多種多様な子ども達を、「そんな子がいてもいいのです」という、小学校の先生の一言が支えます。その言葉のなんと強く、温かいこと!――富安陽子
いったい自分は何者なのか。アフリカの多くの民族が入り交じった地域でゴリラの調査をしてきた私には、その葛藤がよくわかる。――山極寿一

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

☆よいこ

88
児童書。大阪の下町に住む唯人(ゆいと)は人見知りで、学校ではうまく喋ることができない。従兄(いとこ)の洋平(ようへい)を頼りにしていたけれど、5年生で初めて別々のクラスになってしまった。周りはみんな優しいけれど「唯人が感じていたのはやさしさの中の孤独。だれかに理解してもらえるとは思わなかった」転校してきたアズはいつもイライラしていたが、喋らない唯人にだけは不思議に素直になれた。アズは、天王寺動物園のひとりぼっちのライオンを親友と呼ぶ▽2023.1刊。良本。爽やかな読後感、高学年~中学生向き2024/03/09

はるま

22
図書館の新着コーナーに置いてあり手に取りました 素敵な装丁にちょっと不思議なファンタジーなタイトル(実際にこのタイトルのシーンが作品中に出てくるんですが、いいシーンでした)初読作家 本作は第み24回ちゅうでん児童文学大賞受賞作品(ちなみにちゅうでんとは,我が地方の中国電力ではなく,中部電力のことです)主人公の唯人は、引っ込み思案で人前でもあまり自己主張をすることもない男の子 そんな彼のクラスにちょっぴり似通って女の子 生島梓(アズ)が、転校生としてやってきて、彼女となら心を通わせるようになってきて 続く2023/03/17

マツユキ

17
5年生の唯人は、イトコの洋平とクラスが離れてしまい、10月になっても、心細い思いをしていた。そんな時、転校してきた無愛想なアズが気になり…。クラスに馴染めない者同士、通じ合うものがあったんでしょうね。老人施設訪問に、縄跳び大会。トラブルを経て、クラスで活躍するようになる二人が頼もしい。ルーツに、親と、悩みはこれからも尽きないんだろうけど、明るく、爽やかなラストで良かったです。2023/04/21

雪丸 風人

15
主人公は引っ込み思案の小学5年生。徹底的に内向きだった彼が、人を寄せ付けない転校生の少女との関わりのなかで、他人を思いやる心を知り、気持ちを伝えることのよろこびに目覚めていきます。祖父が中国残留邦人だったことで、周囲とは異なる葛藤も抱え込んでいた少年の成長物語。弱気な自分のことで一杯一杯だった彼が、孤立へ一直線だった少女を気にかけ、ここぞというときに進み出るさまには目頭が熱くなりましたね。助けられてばかりだった少年が何をきっかけにどう変わっていくのか?ぜひ注目してください。(対象年齢は11歳以上かな?)2023/02/12

遠い日

13
小5の唯人は母とふたり暮らし。中国残留邦人だった祖父と兄とともに日本に来た父はふたりを置いて帰国してしまった。いとこの洋平一家の賑やかさを横目に、口の重い唯人の学校生活、転校生のアズとの関わりの中で少しずつ変わっていく。自信のなさが行動を抑制させる。そのジレンマから抜け出す小さなきっかけのいくつかが学校行事であることが、いいなと感じた。「そんな子がいてもええ」という温かな共通理解。ちょうどいい距離をみんなで探っていく。アズのバクハツをみんなで共有できるほどに。孤独を抱えながら、巣食われないように繋がる。2023/07/16

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