古代哲学入門 - 分析的アプローチから

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古代哲学入門 - 分析的アプローチから

  • ISBN:9784326103072

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内容説明

ソクラテス以前の最初期の哲学から、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、ヘレニズム期の哲学までの一連の流れを、その哲学者にとって中心的な重要性を持つ論点を軸に考察。論理的な議論の再構成によって予備知識のない読者にもわかりやすく提示する。古代哲学を今を生きる哲学的な観点として一望する決定版の入門書、待望の邦訳。

目次

序 文
謝 辞

第一章 ソクラテス以前の哲学
 1.1 タレスと最初期の自然哲学者たち
 1.2 クセノパネス
 1.3 ヘラクレイトス
 1.4 パルメニデスとゼノン
 1.5 デモクリトスと前5世紀の原子論
 1.6 プロタゴラスとソフィスト思潮
 1.7 ソクラテス以前の哲学者とソフィストからの挑戦

第二章 ソクラテス
 2.1 ソクラテスのエレンコス
 2.2 メノンとエウテュプロンの失敗
 2.3 ソクラテス的な不知とソクラテスのアイロニー
 2.4 ソクラテスの確信とソクラテスのパラドクス
 2.5 ソクラテス裁判と、獄中でのソクラテス
 2.6 結 論

第三章 プラトン
 3.1 ソクラテスからプラトンへ
 3.2 メノンの探究のパラドクスとプラトンの応答
 3.3 プラトンのイデア論の2つの機能
 3.4 プラトンによる相対主義の排除
 3.5 イデアの存在を擁護する3つの議論
 3.6 プラトンが示すイデアの一般的特徴
 3.7 プラトン的分析──事例研究
 3.8 〈善〉のイデアの特別な役割
 3.9 プラトンの線分と洞窟──われわれの認識の見通し
 3.10 イデアについての問題
 3.11 結 論

第四章 アリストテレス
 4.1 プラトンからアリストテレスへ
 4.2 アリストテレスによるカテゴリーの理論の導入
 4.3 四原因の導入
 4.4 四原因の擁護
 4.5 四原因の応用──魂と身体
 4.6 四原因の応用──幸福と人間の機能
 4.7 幸福な人間の徳
 4.8 ソクラテスのパラドクスに対するアリストテレスの扱い──アクラシア
 4.9 哲学的分析に関するアリストテレスの見解──同名異義
 4.10 結 論

第五章 ヘレニズム期の哲学
 5.1 ヘレニズム期
 5.2 エピクロス派
 5.3 ストア派
 5.4 懐疑主義
 5.5 結 論

さらに学びたい人のための推薦図書目録
訳者解説[松浦和也・文景楠]
索 引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buuupuuu

15
古典のテクストに含まれる議論を明確な形で再構成し、その前提や妥当性を批判的に検討している。このように明示されることで、現代の我々にも近づきやすいものになる。他方で、社会的文脈等にはあまり紙面が割かれておらず、哲学者の動機や目的が学説史内で完結しているかのように見えるところが不満でもある。以前は無視されていたヘレニズム期の哲学についてもある程度詳しく触れられている。ヘレニズム期の哲学は、認識を善い生き方への手段として考えている。アリストテレスの4原因説は、説明が満たすべき条件についての理論だというのに納得。2022/09/30

隠者

2
タイトル通り入門書。古代哲学を包括的によくまとめられていて比較的わかりやすくまとめられていると思う。ただ、哲学自体に触れるのが初めてなのでまだまだ理解できないことが多々。特にプラトンとアリストテレスがさっぱり。その上で古代も現代も人間は変わらないというのが正直な感想。もう一度読み返してさらに学ぶにはそれぞれの哲学者について学ぶ必要がある。幸福とはという解答は宗教を学べが結局一番早い結論に。『哲学と宗教全史』出口治明と合わせて哲学の入門書としておすすめ。数学みたく近道はない。2023/04/18

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