内容説明
ケーキ分割問題×選挙、フェルマー×暗号、四元数×CG、フラクタル×気候変動……。現代数学と日常世界の知られざる接点を紹介。もう数学が役に立たないなんて言わせない!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
104
現代社会を支える技術の裏に、高度な数学があることを分かりやすく丁寧に解説してくれる。P≠NP予想と暗号問題、フーリエ変換と画像処理などの連想は容易だが、グラフ理論が腎臓移植の手配に、カオス理論がばねの製造に応用されているなんて面白い。ヒルベルト空間が量子力学の数学的基礎をなすことは承知していても、それが、光ファイバー技術として日常生活を支えていると知ると何故か嬉しくなる。四元数が3DのCGで日常的に使われているとハミルトンが知ったらどう感じるかなど、いろんな妄想が膨らむとても刺激的な一冊である。面白い。2023/01/06
やいっち
74
[追記]我々の生活を支える数学。時に数百年前に成った数学が思いも寄らない形で生きている。文系でも増して理系でもない自分。文学や考古学、歴史に造詣があれば世界を豊かに感じられる。音楽や美術を楽しむ素地があるならやはりそうだろう。数学や物理のセンスがあれば、世界をより深くより高く審美を感じられるはず。2023/02/23
れどれ
4
よくある問いかけ、「数学ってなんの役に立つの?」に真っ向から、現代社会ではこのように実用されていますよと、懇切丁寧に解説してくれている。腎臓移植、ゲームグラフィックなど、意外なような切り口を題材に選び取っていることもあり面白い。なるべく数式をつかわず文章だけで完結させる説明を達成しようとしているのだけれど、本来あるべき解説がかえって省略されてしまい、しっかり理解しようとするとやけに難解。浅い理解でよければ「役に立ってるんだなあ!」とウンウンうなずける。2022/11/25
rockwave1873
3
目次の章と節のタイトル及び文章中にはイラストや写真は目に付いたが、数式はあまりなかったので、「文系人」である自分でも理解出来る内容かと思って読み始めたけれども、残念ながら数学的な説明は殆ど理解出来なかった。只、現代社会は由来と応用法が大きくかけ離れている「不合理な有効性」を持つ数学により支えられているという事実は理解する事は出来た。そして、「現実性、美しさ、一般性、融通性、一体性、多様性」という6つの特徴を持っているからこそ数学が、有用性に繋がっているという事も知ることが出来た。2023/03/12
takao
2
ふむ2022/12/31