内容説明
日本法史(法制史)の新しい学習テキスト。古代から近現代に至るまで,どのように法や秩序が形成され,またその実態はいかなるものであったか。それぞれの時代における法の生きた姿を,制度のみならず社会関係も含めた広い視野で鮮やかに描く画期的な一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かろりめいと
2
「法」と「儒教(礼)」を核とする古代中国の政治思想が、どのように古代日本の律令政治に影響を及ぼし・実施されたのかが初めてイメージできた。高校歴史教科書の空白部分が埋まった感じ。本書後半の「帝国日本と植民地の法的関係」も良かった。大変面白かった。2020/03/11
Masatoshi Oyu
2
日本法制史の概説書だが、著者が指摘しているように、普通の教科書ではあまり拾われないことも意識して記述されている。日本法は外国法の継受と国内での成熟という二つのあゆみのなかで発展してきたが、個人的には継受のときの展開が興味深かった。 2019/11/06
tnk
1
法の歴史は礼との相互作用を抜きに考えられないとして、前近代の法制史を礼思想との関係を念頭に解説。近代については、植民地の法史に多くのページを割くのも面白い。その分、他の概説書にも書いてあるような話は内容薄め。2022/08/14
本を読むマン
1
有斐閣にありがちな初学者の心を折っていくスタイルの入門書2021/04/25
はすはす
0
古代から現代にかけて、為政者が国を統治するためのツールとして「法」をどのように用いてきたかを描いた本。法学というより日本史の本であり、平易に書かれているため高校生でも読めそう。ただし、一定の法学の素養があった方が楽しめるか。 日本の「法」は、明治維新や第二次世界大戦を契機に大きく変わってきたが、「法」というものに対する日本人の考え方はそこまで大きく変わっていないように思えた。欧米諸国と日本における法のあり方の違いを考えるうえで示唆に富む一冊だった。2024/01/08