中公選書<br> 分断の克服 1989-1990 ――統一をめぐる西ドイツ外交の挑戦

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中公選書
分断の克服 1989-1990 ――統一をめぐる西ドイツ外交の挑戦

  • 著者名:板橋拓己【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 中央公論新社(2022/11発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121101297

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内容説明

一九八九年に「ベルリンの壁」が崩壊し、ドイツ統一への機運が高まる。だがソ連のゴルバチョフは統一に反対。英仏やポーランドも大国ドイツの復活を危惧し、米国のブッシュは冷戦の勝利とNATOの維持拡大を優先する。冷戦後の国際秩序について各国の思惑が交錯する中、「ヨーロッパの分断」を克服する外交を展開したのが、西ドイツ外相ゲンシャーだった。本書はドイツ統一をめぐる激動の国際政治を、最新の史料を駆使し描き出す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

紙狸

25
2022年刊行。大佛次郎賞を受けた。1978年生まれの著者はまえがきで記す。ドイツ統一は、冷戦や東西分断の「終わり」を象徴するだけでなく、現代の「始まり」に位置する出来事でもあるのだーと。統一を巡って従来、西独のコール首相の業績を強調する向きが多かったのに対して、著者はゲンシャー外相にスポットライトをあてた。最新の公開文書を活用した成果だというのは分かる。ただ、ゲンシャーってそんなに立派な人だったか、という疑問は残った。旧ユーゴスラビアからのクロアチア独立をいち早く承認したことは当時、批判されたはずだ。2023/01/26

BLACK無糖好き

14
ドイツ統一をめぐる国際政治の推移を西ドイツのコール首相とゲンシャー外相を軸に再構築し、特に後者の果たした役割を明らかにしている点が本書の特徴。主に西ドイツ外務省の公開史料、ゲンシャーとシェワルナゼの会談記録などから、ソ連に統一ドイツのNATO帰属を容認させるまでの経緯もかなり細かく著述している。◇ゲンシャーの目指した全ヨーロッパの統合はさすがに夢のまた夢といった印象。◆冷戦モノを読んでいるとなぜか気分が落ち着いてくる。これも一種の病気か(笑)2026/04/03

スプリント

10
ドイツ統一に向けた西ドイツの外交にフォーカスを当てた内容。 分断されている朝鮮半島もいつかは統一されるのだろうか。 韓国にコール首相やゲンシャー外相のような逸材が現れるのはいつになるのだろうか。2025/09/14

ジュンジュン

10
「ベルリンの壁の崩壊は、ドイツ統一の可能性を開くと共に、第二次世界大戦の亡霊を蘇らせる出来事であった」(214p)。二つの分断(東西ドイツと冷戦下の欧州)の克服を目指した西独外相ゲンシャー(コール首相はドイツ統一が最優先)を中心に据え、錯綜するドイツ統一プロセス(89/90)を見つめる。本書では脇役に位置するソ連だが、キーパーソンはやはりゴルバチョフだと思う。当時、ソ連が危機的経済状況だったとはいえ、平和裏に実現できたのは彼の決断が大きいと思う。もし、プーチンだったら…。2022/11/04

穀雨

8
当時西ドイツ外相だったゲンシャーに焦点をあて、東西ドイツ統一のプロセスをあらためて検証する試み。ベルリンの壁崩壊から統一までの時期、連日のように世界各地で国際会議や会談などを重ねていたその体力にまずおどろかされる。東ドイツ出身で西ドイツに逃れてきたゲンシャーの理想主義が首相コールのリアリズムとマッチしたことが、ドイツが再統一へと軟着陸することができた理由のようだが、全編を通してすこしコールに厳しすぎる気もした。2026/02/08

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