分裂と統合で読む日本中世史

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分裂と統合で読む日本中世史

  • 著者名:谷口雄太【著者】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 山川出版社(2022/11発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784634151796

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内容説明

網野善彦以後の20年、「日本論」の現在と未来を考える――。気鋭の中世史家が歴史から現代を読み解く新たな方向性を導き出す!
「じつは東西南北に広く、その国土も意外と大きい日本列島では、長い歴史のなかで豊かな地域的・文化的多様性が育まれてきた」ことを、中世史を中心に日本史全体の研究最前線からあらためて提示し、「いくつもの日本」の姿を紹介する。
さらに上記の多様性を踏まえつつ、「南北朝」「応仁の乱」など、分裂と統合を繰り返す中世史の実態から、「多様な社会を統合する」契機を提示し、国家における「分裂と統合」の普遍的な意味を探り、現代を考える手段を提示する

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

小鈴

26
こういう本が読んでみたかったという本が具現化されたような本で論点整理ができました。最後以外は対立する既存の学説の解説なので教科書的な文章ですが、ためになりました。岩内章太郎の『<普遍性>をつくる哲学』を読んだせいか、80年代生まれの哲学者も中世史家も相対化(分裂)より普遍性(統合)というのが今のトレンドなのだなって感じました。新しい流れですね。今後が楽しみです。(山川出版社だからなのかキーワードが太字なので読書には違和感。やめたほうがいい。)2021/10/09

Book Lover Mr.Garakuta

19
【速読】【図書館】:日本中世の地歴の話だ。統合分裂の解説集。2022/03/14

翠埜もぐら

18
昨今の日本中世史は「周辺」とか「地方の独自性」を重視した研究が主流なのかと思っていたのですが、現在はそれらを踏まえた上で「で、ありながら統合されていた国」に対する方向へ変わって行っているのだそうです。著者の研究も一部交えながら昭和初期からほぼ現在の研究史が解かり易く解説され、参考文献が大変豊富。この本を起点にして広げていけそうで楽しみです。それにしても網野善彦氏って批判はずいぶんあるようですが、氏の発想と提言は時代を作ったのだと改めて思いました。読み直すかぁ。今なら多少理解できるかもしれない。2024/05/27

軍縮地球市民shinshin

17
2000年代に網野善彦の影響で日本の統一性を疑い、「多様な」とか「いくつもの」などの日本像というのが数多く提起された。しかし細分化しようと思えばいくらでも細かく分けて他地域との差異を際立たせることはできるので、近年は再び「国家史」の側面を打ち出した研究が多くなっているという。本書は日本中世史研究の最新の論点が手際よくまとまっているので、史学科の1年生が読むといいかもしれない。2022/12/28

白隠禅師ファン

14
東と西、境界論、東国国家論と権門体制論、非農業民論、日本列島の多様性論など、概略と研究史をわかりやすくまとめています。今後は「いくつもの日本」と「ひとつの日本」というふたつの視点で、日本中世史の再構築を図る必要があると実感した2025/01/05

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