越境する日本人家族と教育 - 「グローバル型能力」育成の葛藤

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越境する日本人家族と教育 - 「グローバル型能力」育成の葛藤

  • 著者名:額賀美紗子
  • 価格 ¥5,060(本体¥4,600)
  • 勁草書房(2022/11発売)
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  • ISBN:9784326250837

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内容説明

グローバリゼーションは家族の教育戦略やアイデンティティ、能力形成にどのような影響をもたらすのか。本書はトランスナショナルな視角からロサンゼルスに住む日本人家族の生活世界に接近し、越境空間の中で子どもたちが獲得する柔軟な日本人アイデンティティと、異質な他者と関わる「順応力」「社交力」のありようを明らかにする。

目次

はしがき

序章 越境する日本人家族とグローバル化の圧力
 1.グローバリゼーションがもたらす変化
 2.トランスナショナル化する教育戦略・アイデンティティ・能力
 3.分析枠組み
 4.研究の対象と方法
 5.本書の構成

第I部:家族・学校・コミュニティ

第1章 2つの国に繋ぎとめられる心性の構築
 1.越境ハビトゥスを獲得する母親たち
 2.越境ハビトゥスの芽生え――日本出国前の移住システム
 3.越境ハビトゥスの定着――ロサンゼルスの日本人コミュニティ
 4.越境ハビトゥス獲得の構造的条件

第2章 トランスナショナルな教育戦略の構築――「良い日本人ママ」の葛藤
 1.越境空間における「パーフェクト・マザー」とは?
 2.教育目標――「日本型能力」と「グローバル型能力」の両立
 3.徹底した母親業
 4.親密な親子関係の形成
 5.「良い日本人ママ」の構築と葛藤
 6.越境空間における新しい文化とアイデンティティの創造

第3章 子どもたちの教育機会――現地校・日本人補習校・塾
 1.アメリカの学校――「容赦なき形式的平等」の圧力
 2.日本人補習授業校――「日本人」を育てる教育の揺らぎ
 3.塾――文化のブリコラージュ
 4.教育の私事化と教育機会

第II部 子どもたちのトランスナショナルな日常世界

第4章 柔軟な日本人アイデンティティの形成
 1.「日本人」「アメリカ人」「アジア系」を混成する語り
 2.「日本人」であることの意味
 3.「同化」でも「分離」でもないハイブリッドな適応

第5章 複数の文化的空間と順応力の形成
 1.多様な文化的越境のスタイル
 2.文化的越境スタイルの比較考察
 3.順応力を培うことの困難
 4.順応力の形成要因
 5.他者のために活かされる順応力

第6章 子ども文化と社交力の形成
 1.境界交渉と子ども文化
 2.エスニック境界をつくる――日本人アイデンティティの排他的実践
 3.エスニック境界を超える――日本人アイデンティティの包摂的実践
 4.他者に開かれた関係性づくり

第7章 帰国後の「グローバル型能力」と日本の学校文化
 1.帰国後の子どもたちの進路
 2.越境空間における柔軟な日本人アイデンティティの再形成
 3.越境ハビトゥスと日本の同調圧力への批判的まなざし
 4.「グローバル型能力」による変革の可能性
 5.「グローバル型能力」を育む学校文化の創造に向けて

終章 グローバル時代の日本人アイデンティティと能力のゆくえ
 1.トランスナショナルな視角からみた日本人家族
 2.「グローバル型能力」を育てることの意義と課題
 3.国境を超える教育と社会の構想

引用文献
あとがき
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちんれん

0
【新富分館】久しぶりに途轍も無く面白い本を読んだ。アメリカのLAに住む駐在員の子供(小、中学生)が現地でどのように現地学校や日本人補習校、塾で学び変化成長するのか。子供を支える母親たちはどんな学力背景を持ち、現地の母親コミュニティの中でどう振る舞い、現地の米国人教師や子供の同級生、父兄と接するか。また、日本に帰国後に帰国子女達がどう進学し、どう変化するのか追加調査していて物凄く読み応えがあった。調査対象が子供と母親なため、父親の意見や教育への関与方法はわからなかったのは残念だった。ただ調査対象へのインタビ2013/07/14

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