「立方体が描けない子」の学力を伸ばす

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「立方体が描けない子」の学力を伸ばす

  • 著者名:宮口幸治
  • 価格 ¥850(本体¥773)
  • PHP研究所(2022/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569853239

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内容説明

立方体の模写は、標準的な子どもであれば大体7歳から9歳までの間にクリアする課題である。しかし著者は少年院に、立方体が描けない中学生や高校生が数多く収容されていることに気づく。「見たり聞いたりする力の弱さが非行の原因なのでは?」と考え、認知機能を強化するトレーニング法を探すも、適当なものが見当たらない。「これは自分で作るしかない」と腹をくくり、周囲の協力も得て、社会性や身体性をも伸ばす教材「コグトレ」を考案。本書ではその内容と、少年たちがトレーニングで変化したプロセス、さらに子どものモチベーションについて親に知っておいてほしいことを綴る。 【目次より】●教科学習以前のレベル ●人の気持ちがわからない ●少年たちで教え合うほうが理解が進んだ ●社会面、学習面、身体面の3方向からの包括的支援 ●一般の学校にも広がる ●「なぜ、勉強するの?」と聞かれたら ●友だちとのコミュニケーションがうまくいかないときは etc.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きみたけ

71
著者は立命館大学産業社会学部教授の宮口幸治先生。「コグトレ」第一人者の著者が、立方体が描けなかった非行少年たちがいかに立ち直ったのかを解説した一冊。彼らの見たり聞いたりする力の弱さが非行の原因ではと考え、認知機能を強化するトレーニング(コグトレ)を考案、社会性や身体性を改善する教材として確立。少年たちがトレーニングで変化したプロセス、さらに子どものモチベーションについて親に知ってほしいことについて綴っています。非行少年たちだけでなく、小学生や新入社員、認知症初期のチェックにも広がって欲しいです。2023/06/29

たまきら

44
「ケーキの切れない…」を読んで(もっと実践的な部分が知りたいな)と思っていたので、前二作の実践版のような本書を興味深く読みました。境界知能1700万人が忘れられている、という言葉に、娘の元担任の先生のおかげで速やかに発達障害の特別レッスンを受けることができた友人の娘のことを思い出しました。いまだに苦労もありますが、彼女は今専門学校で頑張っています。現場の目がいかに大切か、再確認しました。2023/07/17

かおりん

34
認知機能強化にコグトレ。非認知能力が大切と言ってもなかなか一般には理解しにくい。いわゆるグレーゾーンの子というのは本当に増えている。それは1歳児からでも違いが分かる。勤務する園でもかなりの割合でいるし、困っていることを理解できない保護者は多い。集団生活の中である程度順応できても学習が入ってくるとまた大変。親も特性があれば勉強する習慣なんてつかない。社会性や感情コントロールなどカテイデできないことを先生が担うのはとっても大変。上手く支援がはまれば子どもは伸びる。2023/03/12

ta_chanko

32
知的障害には分類されないが、日常生活や社会生活を営むうえで支障や困難が生じる「境界知能」に該当する人が、日本には1700万人も存在し、ほとんど理解も支援も得られないまま放置されている。結果、非行や犯罪に走ったり、進学や就業においても上手くいかずに社会から脱落してしまう人も少なくない。少子化が進む現在、早い段階でそれを発見し、この本で紹介されているコグトレなどで訓練し、社会的な能力を身に付けていくことが不可欠。「境界知能」の人だけでなく、それぞれのレベルにおいて、すべての人に必要な支援。2022/12/08

のり

28
ケーキの切れないシリーズの著者が、ケーキの切れない少年たちに具体的にしてきた、認知機能のトレーニング、つまりコグトレの紹介本。認知機能が弱いということがわかっても、具体的な支援となると、何をさせれば?と困っている親御さんや教育現場に役立つ情報でした。小学校や特別支援学校でも取り入れられているそうで、実際に効果があるというデータもあって、興味深い。2022/12/26

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