内容説明
日本独自の芸術文化。
その謎が、いま明かされる。
なぜ全国各地の市民社会はオペラを愛してきたのか――。
音楽を愛する市民が中心となり、プロとともにオペラ公演を運営する「市民オペラ」。
この日本固有の文化は、全国各地の地域ごとに芸術と社会の接点として形づくられ、半世紀にわたり醸成されてきた。
一回の上演に数百人もの市民が携わる一大文化。
オペラ自体が総合芸術であるため、その公演のあり方は社会状況を映しだす鏡にもなる。
しかし、行政とも複雑に絡みあっているがゆえに、これまで全容が読み解かれることはなかった。
なぜ、日本の市民社会はオペラを求めてきたのか――。
オペラ上演研究の第一人者が満を持して論じる、初のドキュメンタリー的解説書。
【本書に登場するおもな市民オペラ団体(登場順)】
藤沢市民オペラ/伊丹市民オペラ/立川市民オペラ/みつなかオペラ/ひたち市民オペラによるまちづくりの会/ひろしまオペラルネッサンス/まつもと市民オペラ/オペラ彩/堺シティオペラ/三河市民オペラ and more…
目次
開演前
序幕 市民オペラを紐解く4つの視点
第1幕 市民オペラの発祥と歩み――出会いが生んだ市民オペラ
第2幕 市民オペラの展開
幕間 組織の継承――新生・藤沢市民オペラ
第3幕 市民オペラのプロデュース
第4幕 市民オペラが映し出す日本の市民社会の形成と展開
終幕
終演後
註
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どら猫さとっち
5
音楽を愛する市民が、プロとともにオペラ公演する「市民オペラ」。その歴史と舞台裏を追ったルポ。以前、本書に登場する三河市民オペラを観に行ったことがある。合唱やソリストの練習だけでなく、運営まで共に支え合いながら公演に繋ぐ過程。本書は市民オペラを追ったルポである。都市で作る文化の完成度の高さ、市民オペラの底力はこんなところにあったのだ。2022/12/06
Ryosuke Tanaka
3
妻がアマチュアオペラ団体で演奏しているので興味を持って手に取った。藤沢、広島、三河などの事例や具体的なエピソードは面白かったが、著者自身が市民オペラのステークホルダーである手前、対象との分析的な距離が取れていない(知り合いの宣伝みたいなところが多い)感は拭えず、いっそ「私と市民オペラ」みたいな一人称の本にしてしまっても良かったのではと思った。2024/08/18
Yui Itoh
1
膨大な数の関係者(著者含む)の熱意や愛情、責任感と聡明さが伝わってきて読後になんとも言えない温かいものが胸に残ります。2023/01/21
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