キリンのひづめ、ヒトの指 比べてわかる生き物の進化

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キリンのひづめ、ヒトの指 比べてわかる生き物の進化

  • 著者名:郡司芽久
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • NHK出版(2022/09発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784140819173

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内容説明

高血圧なキリンの心臓、物をつかみにくい猫の手……生き物に「ざんねんな進化」はない!

ヒトとキリンは似ている動物? 見た目はまったく違うけれど、じつは骨格の構造や赤ちゃんの育て方など共通点も多くある。似ている部分に注目すると、複雑な進化の仕組みを理解しやすくなる。生き物の成り立ちを知るうえで「比較」は最も重要なのだ。手足、首、皮膚、心臓など8つの器官を通して、さまざまな動物の体に刻まれた進化の歴史をひも解く。
「キリン博士」こと人気解剖学者によるユニークな進化の話!

はじめに――解剖からひも解く生き物の進化
第1章 肺 息苦しい水中への対応策
第2章 手足 手のひらを返すヒト、返せないキリン
第3章 首 頭と肩に挟まれた隙間
第4章 皮膚 外から支える偉大な「臓器」
第5章 角 その不思議な魅力
第6章 消化器官 たくさん食べるか、無駄なく消化か
第7章 心臓 はるか遠くへと血液を運ぶ旅
第8章 腎臓 「毒」の排出を担う器官
第9章 呼吸器 酸素の取りこぼしを減らす工夫
第10章 進化とは妥協点を探ること
あとがき――自分の体を知ることは

*電子書籍版ではイラストをカラーで収録しています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mae.dat

235
ヒトとキリンの似ている所と違っている所。キリンと他の生物(主に脊椎動物)と同じ機能と違う機能。そしてヒトと他の生物のそれね。それらを比較検討する事で浮かび上がる「みんなちがって、みんないい」by 金子みすゞですね。巧みな機能。絶対譲れない精緻な器官と、それで間に合っちゃうから良いんだと言う構造が、種に依ってまちまちなのですね。例えば、キリンのアイデンティティのひとつは長い首ですが、首の骨の数は多くの哺乳類と同じ7つ。でも、可動域を拡げたい。と言う事で、胸椎を肋骨に癒着させない事で第8の頸椎の様に使うとか。2022/10/23

trazom

127
3年前「キリン解剖記」を読んで、すっかりファンになった郡司さんの最新刊。肺/手足/首/皮膚/角/消化器官/心臓/腎臓/呼吸器について、動物ごとの違いや進化の過程を語っている。前著で、この著者の子供のように純粋で清らかな探求心に魅了されたが、本書も、弾けるような語り口が楽しい。彼女の専門は比較解剖学。死因を解明する病理解剖学と異なり、「動物同士を比較することで、体の構造と働きを明らかにする」学問だという。生物に刻まれた進化の歴史を探り、ヒトという生き物の全体像に迫ろうとする若き研究者に、エールを送りたい。2022/11/01

けんとまん1007

59
生物の各器官について、今の形に至る意味や歴史が綴られていて、興味深い。中には、名残として残っているものも多い。それも含め、傍目には不思議なこともあるかもしれないが、実は、そうではない。そう思うのは、ものの見方が狭いからなのではと思う。理由があるから、今の形なのだということ。それにしても、これだけ多様な生物がいるということ自体が、得難いことだと思う。そんな思考は、いろいろな分やであてはまる。2023/01/08

やっさん

26
書評より。キリンの解剖を専門とする著者による、主に人体との比較。そうか、「膝が逆に曲がる」と思ってた箇所は「かかと」なんだ/偶蹄類と奇蹄類は全く別の系統(収斂進化)/4つ脚では鎖骨は退化/角は骨だったりケラチンだったり5種類の成り立ちがある/草食動物のなかで反芻する種は少数/キリンは高血圧・気管は細め(死腔=デッドスペース低減のため)/鳥は気嚢のおかげで肺に空気を入れながら吐き出すこともできる/夜行性動物には網膜の裏に反射鏡のような構造(タペタム)がある…等々、雑学的に面白かった。著者のキリン愛も。2023/10/06

tom

17
「キリン解剖記」ほどには楽しくはなかったけれど、体の不思議さと進化の生の姿を語ってくれて、それなりに面白く読んだ本。哺乳類は、息を吸うときは、息を吐けない(音楽家の中には、できる人もいるけれどこれは特殊技能)。でも、鳥は息を吸いながら息を吐くことができる。理由は肺の構造の違い。魚は水の中で効率的に酸素を取り込む。人間は吸い込んだ酸素の25%くらいを取り込むけれど、魚さんは「対向流システム」によって圧倒的に効率よく酸素を取り込む。体というもの、必要性に応じて、いろいろ工夫を凝らしているのだと思うこと多々。2024/01/02

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