我に秘薬あり 家康の天下取りと正倉院の名薬「紫雪」

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我に秘薬あり 家康の天下取りと正倉院の名薬「紫雪」

  • 著者名:山崎光夫【著】
  • 価格 ¥2,035(本体¥1,850)
  • 講談社(2022/07発売)
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  • ISBN:9784062186704

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内容説明

家康の二度にわたる正倉院開封の目的は幻の妙薬「紫雪」にあった! 天下取りを目前に毒殺をなによりも恐れた家康。幕府を磐石にし、子々孫々に権力を末長く伝えていくためにも、政敵の魔手から逃れる万能の解毒剤を独占したかった……。そのために家康がとった手段とはいかなるものだったのか……。 クスリを通して歴史の闇に迫るmedical history novel。

●徳川家康はなぜか東大寺の正倉院を二度にわたって開けさせています。正倉院は勅封といわれ、天皇の命令がなければ開けることができません。源頼朝、足利義政、織田信長、豊臣秀吉も開けさせていますが一回だけです。
 正倉院には天平以来の珍奇な生薬や鉱物薬が納められています。いっぽう家康は養生にきわめて関心が深く、みずから薬を調合するのがなかば趣味だったともいわれています。とすれば、家康の正倉院開封の目的は薬にあったのではないか。しかも収蔵帳には、古来、万能の解毒剤とされてきた幻の妙薬「紫雪」の二文字が記されていました……。
 多くのライバルの非業の死を目の当たりにしてきた家康。天下取りを目前に毒殺をなによりも恐れていたにちがいありません。しかもその権力を磐石にし、子々孫々に末長く伝えてくためにも、暗殺の魔手から逃れる妙薬を独占したかった……。そのために家康がとった手段とはいかなるものだったのか……。また、徳川三百年の平和の背景にあった「紫雪」とはいったいどのようなクスリだったのか。

●……高貴中の高貴薬といわれるのが、「紫薬」である。まさに秘薬であった。 医薬の研究者なら一度は目にして、できれば口に含んでみたいと熱望する名薬である。口中に投じれば淡雪のように融けるという。そこから、「雪」の字が当てられていた。用いる生薬類も入手困難のうえに高額で、製法に高度な技術を要するので、当時、製剤は事実上、不可能だった。中国から輸入され、唯一、正倉院に所蔵されているだけである。奥医師ですら現物を見た者はいない。幻の薬である。 その幻の薬を家康は欲したのではないか。医典籍を渉猟し、みずからも製剤するまでに医療に長けた家康だからこそ、正倉院に幻の薬を発見して入手を思いたったといえる。 家康は単なる好奇心だけで「紫雪」を探したのだろうか。……

目次

奇妙な開封
高貴薬を求めて
曲直瀬父子
解毒の秘法
聖徳太子と鑑真和上
関ヶ原前夜の瘧疾
消えうせた妙薬
寒食散
黄金一百両
神君陣中薬
孝明天皇の死

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

漢方売り

2
漢方薬の秘話のようでもあり、家康の関ヶ原の戦略史のようでもある。小説というよりはドキュメントを読んでる感じです。家康が秀頼の若さに嫉妬して大坂冬の陣を起こしたという説が、健康に人一倍気をつけていたエピソードを読んだ後では凄くリアル。個人的には知ってる生薬や処方、実在の漢方界の大家の名前が散見されていて馴染みやすいし、面白いが、世間一般に読みやすいかは微妙かも。歴史か薬、どちらかに興味がないと辛いかも。2013/11/11

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