占領期ラジオ放送と「マイクの開放」 - 支配を生む声、人間を生む肉声

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占領期ラジオ放送と「マイクの開放」 - 支配を生む声、人間を生む肉声

  • ISBN:9784766428025

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内容説明

本書は、NHKの未公刊一次資料やGHQ文書を用いながら、批判的談話研究(CDS)の枠組みに依拠して、占領期のラジオ番組『真相はこうだ』『真相箱』『質問箱』『街頭録音』における民衆の声の分析を行い、「マイクの開放」の内実を検証する。

目次

はじめに
 
 第一部 マイクに拾われた声を聴きなおす

第一章 占領期ラジオ放送の批判的談話研究──理論と方法
  
第二章 「マイクの開放」からみるラジオ史──本放送開始から占領開始まで(1925~1945年)
  
 第二部 支配を生む〈声〉

第三章 「真実」が進軍を始める〈声〉――『真相はこうだ』(1945年12月)

第四章 「我々」の戦争責任を問う〈声〉――『真相箱』(1946年5~7月)
  
第五章 親米民主化を「面白く」する〈声〉――『質問箱』(1946年12月)
 
 第三部 人間を生む〈肉声〉

第六章 CIEとNHKが集める『街頭録音』の〈声〉――「民主化ショー」から「生々しい社会番組」へ
  
第七章 大衆を露わにする〈肉声〉、あるいは民衆を消す〈声〉――涙する投書と太宰治「家庭の幸福」

第八章 「人間」を廻り合わせる〈肉声〉――「ガード下の娘たち」(1947年4月)と田村泰次郎「女狩りの夜」

終章 占領期ラジオ放送と「マイクの開放」──からっぽのラジオの向こう側へ
 

あとがき
参考・引用文献一覧
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

古本虫がさまよう

3
このテーマの先行研究としては、江藤淳氏の『閉された言語空間』がある。太田氏も適宜言及している。しかし、江藤氏よりも、賀茂道子氏の『ウォー・ギルト・プログラム GHQ情報教育政策の実像』に依拠することが多いようにも見受けられる。賀茂道子氏さんは、「90年代に『自虐史観』という言葉が広がってから、WGIPも広がるようになりました。ですが、占領期の多くの史料を見るとそもそもWGIPという言葉は、GHQの一文書にしか使われていないものです」と、石戸諭氏の『ルポ 百田尚樹現象』で発言しているような人ですから……。2022/05/23

tekka

1
「政府は、1946年2月に草案を示されたときから同年11月の新憲法公布まで、GHQが提案した女性の権利条項の削除・変更を求めつづけた。離婚や相続など、家庭をめぐる男性支配を脅かすものとして女性の地位向上に難色を示した政府とは反対に、GHQは、非民主的な家庭制度の抜本的改革を求める姿勢を崩さず、政府の意向を拒否した。」2022/08/14

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