夏鳥たちのとまり木

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夏鳥たちのとまり木

  • 著者名:奥田亜希子【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 双葉社(2022/05発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 480pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784575245202

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内容説明

中学教師の葉奈子は中二の夏、ネットの掲示板で声をかけてきた男のもとに身を寄せた。そこは、母親から放置されていた葉奈子が逃げ込んだ場所だった。だが、教え子の女子生徒が抱える秘密と、15年前の夏の記憶が重なったとき、ひとつの真実が立ち上がる――。心に傷を負ったまま生きる中年男性教師の再起を絡めて描く、希望と祈りの物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

154
読了後の感想は素直に「いい話(作品)読んだなぁ」と思えました。奥田さんならではの適度にシリアス、適度に明るめな作風は読んでいて安心感と安定感があります。本作は中学2年生を受け持つ女性教師のお話でした。色んな教師モノを読んだ記憶がありますが、改めて学校の先生ってホント大変だなぁと思います。好きじゃないと勤まらないし、好きなだけでも勤まらないなと。主人公「葉奈子」と副担任のベテラン「溝渕」のやりとりがとても印象的でした。特に「溝渕」のキャラがホントにナイスでそこだけでも十分値のある作品になってると感じます。2022/08/04

とん大西

139
地味ながら…良書です。中学教師・葉奈子の憂い。中二の夏、彼女が駆け込んだ先。母から逃れた束の間の安息地は、ネットで知りあった男ナオが静かに暮らす部屋。彼との穏やかな数日間、それは葉奈子にとって果たして僥倖だったのか。教師となった今、潤いのない日々を重ねる彼女。雛鳥の保護、生徒の不審な素行。些細な出来事を切欠に…垣間見得る、蘇る、向き合う…中二の夏、あの時の葉奈子。儚い季節はある。もしかしたら今もそうかもしれない。否定はしない。でも少しの苦味を受容すれば見えてくる明日があるかもしれない。…沁みてきました。2022/07/22

fwhd8325

136
とても繊細な物語でした。心の中にある葛藤、母親とのしがらみ。何だか純文学を読んでいるようでした。正直、前半は重いな、と感じました。奥田さんって、こんな感じの作品だったかなと戸惑いもありました。それでも主人公の必死さに、引きつけられていきました。良い物語でした。2022/11/22

ウッディ

136
クラスの女生徒の家出が、SNSで知り合った男性の所で過ごしていたことに気づいた中学教師の葉奈子、彼女にも過去にネグレクトの母から逃れ、ネットで知り合った男性宅で2週間、過ごした過去があった。母との確執や部屋を片付けられない自分に悩み、教師も一人の人間であり、他人に言えない過去を持ち、欠点を隠しながら生きている。けれど、そんな過去があったからこそ、教え子と人として向き合い、正しく導いていけるのかもしれない。過去を乗り越えた副担任の溝渕の現在の姿は、葉奈子にとってまさに教師のような存在なのかもしれない。2022/09/15

machi☺︎︎゛

126
ネグレクト気味の母親に育てられた葉奈子は大人になって中学校の教師になった。そして自分がしんどかった時に支えてくれたと思っていた人からの言葉は実は悪魔の呪文だった。「流浪の月」と似た設定だったけど最後は全然違う展開になって心地の良い終わり方だった。人間ってとても弱いけど本当はとても強い。2022/08/09

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