内容説明
一面の砂漠と化した北京。廃墟となった紫禁城に、米軍の最新鋭戦争サイボーグ部隊が降り立った。標的は単独で首都を壊滅させた神のごとき“超人”。その圧倒的な戦闘能力になす術もなく倒れゆく隊員たちの眼前に、突如青い炎を曳いて一人の少女が現れた――第6回創元SF短編賞受賞作にはじまる本格アクションSF連作長編。※本電子書籍は、『神々の歩法』(創元日本SF叢書 2022年6月初版発行)を電子書籍化したものです。/【収録作】神々の歩法●北京を廃墟にした“憑依体”に苦戦する戦争サイボーグ部隊の眼前に、一人の少女が現れた。第6回創元SF短編賞受賞作。/草原のサンタ・ムエルテ●部隊に合流した少女が、突如姿を消した。第二の憑依体が出現したのだ。――それも日本の岩手県に。/エレファントな宇宙●アフリカのコンゴ共和国に異状が察知された。部隊は高次元生命体を迎え撃つべく、世界第二の大河を下る。/レッド・ムーン・ライジング●CIAのマッケイのもとにサイボーグ部隊から「UFOを見た」と連絡が入る。新たな憑依体の出現か、それとも……。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃん
146
作者によれば、元々はご友人のデザイナーのもの、という事だが「発狂した異星人が降ってくる」というアイディアが面白い。超新星爆発によって飛ばされてきた生命体に憑依された人間は、狂気に囚われて、とんでもない力で殺戮と破壊を始めてしまう。それに対する為に出動するのは全身をサイボーグ化した特殊部隊、そして白いワンピースの少女。実は彼女もまた…専門用語は頻発するけれど読みやすく、その破天荒な場面も想像しやすい。何より好きなのは彼らの猥雑で珍妙だけど、お互いへの思いやりに溢れた会話。全く異形だけど「家族」を感じさせる。2022/09/05
パトラッシュ
133
敵性宇宙人と戦う特殊部隊の物語は『宇宙の戦士』以来の黄金パターンだが、全員がサイボーグなのに協力的な宇宙人も加わるとは日本人好みの『ウルトラマン』風ドラマか。その味方が子供と反体制シンパであり、上位下達の軍隊が反抗的異分子に頼って戦わねばならない設定が微苦笑を誘う。しかも米軍が主役なので遠慮なく海外に展開し、政治や外交との関わりが軍の活動に与える影響を描くなど、作者はダグラムやボトムズなど高橋良輔アニメに影響されているのか。特に現実改変攻撃を取り入れた第4作は、異次元戦闘のアイデアと描写が巧みで読ませる。2022/09/11
猿吉君
77
非常に面白いけど日本SFだなあとも思う作品、読む人を選ぶのかもな連作短編集です。①私の様な日本アニメ・漫画とかSFヲタク系の人なら問題なく楽しめます。②設定はハードSF、なんですがニーナちゃんの可愛さとウォーボーグの人達の良い人ぶりでほっこりします。③読んでいくとマッケイさんの有能さと中間管理職の悲哀を楽しめます。点数:80/100→翻訳物のSFみたいな硬質な物語を求める人はイマイチと感じるかもですが、面白ければなんでもありな私は楽しめました。 2022/11/13
kou
63
発狂した異星人に憑依され都市を壊滅させるくらい凶暴になった地球人VSサイボーグ部隊&協力的な異星人に憑依された8歳の少女ニーナ・・・面白かったぁ~。戦闘方法もユニーク!特殊な踊りで、力を引き出すので、見方を変えると、さながらニーナがアイドルでサイボーグ部隊はバックダンサーって感じなのかな(笑)。大人びようとしているニーナと、ニーナと絆を結びながらも、子供を戦わせる事に葛藤する大人達の描写も、胸に響くものがあった。続編を期待したい!是非・・・いや絶対に読みたい。2022/09/17
ひさか
60
神々の歩法、草原のサンタ・ムエルテ、エレファントな宇宙、レッド・ムーン・ライジング、の4つの連作短編を2022年6月創元日本SF叢書から刊行。異星文明に憑依されたニーナやカミラ、戦闘サイボーグらで作られたチームが、敵である発狂した異星文明憑依体達と戦うというその設定があまりに荒唐無稽で面白い。高次元に及ぶ力の発動を歩法という言葉で表現するアイデアも楽しめる。攻防も面白いが、変わって行くチームの関係も面白い。良くできた楽しいストーリーだ。2023/01/15
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