内容説明
ゴリラ研究者として人類の原点を探ってきた山極氏と人類が世界中に拡散していったルートを歩いた関野氏。家族の起源、狩猟と戦争、平等の意識、グローバリズムと教育など、前・京大総長とグレートジャーニー探検家の壮大でおもろい対話集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
22
失ったものは、個人的には「消費者」であるばっかりで「生産者」になっていないってことだと思ったけど、こういう山極さんや関野さんのような好奇心を追求してゆく大胆な行動力ではないかと思った。2024/02/20
そふぃあ
22
ゴリラ研究者の山極氏と冒険家の関野氏が対談を通して、人類の起源とこれからを探っていく本。家族制度や共感能力の衰退、個人主義の台頭、教育の変容など、ヒトが繁栄のため作り出した文化(習性)は失われつつあるものが多いようだ。ヒトをヒトたらしめているそれらの文化の変容は一見すると先祖返りのようにも見える。我々は自身を生かす物や道具がどうやって作られるかを知らないし複雑すぎて想像することもできなくなっている。何かの原因で人類が滅亡寸前にでもならなければ我々はヒトらしさを失っていく一方ではないかとも思う。(続き→)2024/01/24
すーぱーじゅげむ
19
ゴリラ研究の山極氏と先住民研究の関野氏の対談集です。現代の人間はもう少しゴリラや先住民を見習ったほうがいい、と思いました。争いにおいて「勝つ」より「負けない」ことが大事で、両方が「私たちは負けなかった」と思えるような落としどころが一番遺恨を残さないので優れている、など、もっともな話ばかりでした。人類が残ってきたのは体の強さではなく、知恵の力が大きい。便利になるとかわりに持っていた能力を失うのは進化の法則ですが、デジタルの進歩により失う能力のなかに、失ってはいけない知恵があるのではないかと思いました。2023/04/21
lily
15
新年一冊目はゴリラ学者である元京大総長、山極寿一と『グレートジャーニー』の著者である探検家、関野吉晴の対談本。相手の面子をつぶさず負けない論理で動くゴリラ。共食に加え、仲間との仕事の折半でコミュニティを形成し、年長者を敬う狩猟採集民族。相手の面子を考えず屈服させるまで紛争を続け、孤食に加え年長者を軽んじる現代人に、過去を顧みる必要性を説いている。現場主義で様々な経験を積んだ両者の知識があふれる一冊。「一日15分でいいから人間の作ったものでないものを眺めよ」という養老孟司氏の指摘には考えさせられる。2025/01/10
大先生
12
面白いし、深い!超オススメ本です。サルやゴリラの世界と比較することで人間らしさとは何かについて考察し、IT化・グローバル化によって人間らしさが失われつつある現状に警鐘を鳴らしています。勝たないという知恵も重要ですが、まずは家族や仲間と食事を楽しむことですね!いつも孤食してるとサルになってしまうかも。人類はなぜジャングルを出て、世界に散らばって行ったのか?については、弱い者が追い出される形で新天地を目指したからではないかという推論をしています。獲物を追いかけて自発的に出ていった勇者もいたでしょうがね。2025/08/20
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