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内容説明
資本主義の歴史とは「過去」と「現在」
そして「未来」の歴史である
西欧で生まれた資本主義が、拡大し、そして暴走している。資本主義はなぜ限界にむかっているのか。資本主義と持続可能な世界は両立するか。ポスト資本主義とは何か。本書では世界史の流れの中で、資本主義の変遷をたどることより、これまで自明のものとしてあった資本主義の本質をつかむ。予測不可能な未来を切り開くために必須の教養が身につく一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
97
タイトル通り、資本主義の辿った道のりが、国際的な政治状況を踏まえてとてもわかりやすく語られている。随所にマルクス主義の視点が垣間見えるが、帝国主義も、植民地政策も、グローバリゼーションも、戦争も、ソ連・東欧の崩壊も、バブルも、すべて資本主義による必然だという整理は、疑義もあれど、それはそれで面白い。そして、その帰着点は、新自由主義・金融資本主義であり戦争経済学であると。民主的と謳った西欧型資本主義の非民主性・不平等性が露わになった現在だが、中国による国家主義的調整型・朝貢型経済が解決法だとは思いたくない。2022/07/28
KAZOO
92
最近新書版で資本論などについての解説書を書かれていると思ったらこのような資本主義の誕生から現在までの歴史が簡潔に理解できるような本を出されていたのですね。この分野では斎藤先生や、白井先生あるいは佐藤優さんも書かれていると思いますが、事実をうまく書かれていてこの時代の理解の復習になりました。ただ若干内容に比して表題が大げさすぎる気がしました。2023/12/20
よしたけ
56
産業革命による生産性向上と鉄道普及で、封建時代の命令下達が崩れ自己規律で時間に従う社会へ変化、規律生活が徹底的に教え込まれ資本主義普及。労働に従事しない事務担当が生まれホワイトカラーに発展。資本主義は地主崩壊の歴史で、穀物制廃止で安い穀物を輸入させた近世英国が走り。機械発展と労働者「=人間」を農村から追い出す、の二つの発展も不可欠。近年は、 ソ連崩壊で東欧露衛星国への貸付が拡大、過剰製品で消費と低価格製品生産が進み、先進国企業優位構造が生まれた。今後は、アジア型互恵主義が西欧型競争主義を凌駕すると予想。2023/07/26
harass
51
今時珍しいマルクス主義視点からの資本主義の歴史を論じる。帝国主義の第二次大戦直前の流れにこれこれと感じいる。ソ連崩壊前後の共産圏などはほぼ知らなかった。中国の資本主義化というこれからについて触れて終わる。同時に読んでいた他の本でもでてきたが、資本主義に代わるものが存在しないならどうすればいいのかと。その答えがないまま暴走する資本主義が突き進むのかと。対案のない意見は半分聞き流すことにしておく。2023/03/26
ta_chanko
21
西欧型の競争的な資本主義が優勢になったのは、ここ200年くらいの特異な現象。勃興期には国家による保護を必要としながら、成長すると国家規制や税負担を嫌って自由貿易を主張。少しでも多く儲けられるところを国内外に見つけて富を収奪。成長の余地がなければバブルを引き起こしてでも。バブルがはじければ、国家(税金)によって救済される…。闘争・侵略・支配・収奪を特徴とする資本集約的な西欧型資本主義に替わる、互恵的・労働集約的な内需型・調整型・朝貢型のアジア型資本主義はありえるのか?2022/07/14