脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論

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脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論

  • ISBN:9784152101273

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内容説明

細胞の塊にすぎない脳に、なぜ知能が生じるのか? カギは大脳新皮質の構成単位「皮質コラム」にあった。ひとつの物体や概念に対して何千ものコラムがモデルを持ち、次の入力を予測している――脳と人工知能の理解に革命を起こす「1000の脳」理論、初の解説書

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

96
原題はA Thousand Brains.脳はどうやって知能を生み出しているのか?脳の研究はどの部位も同じ構造であることを示している。2.5mmの大脳新皮質は、数百万年の間に基本回路のコピーを層状に積み重ねて出来上がった。著者は約15万個のコラムが皮質を構成し、座標系を元に世界をモデル化していると提唱し、それを1000の理論と呼ぶ。第2部ではAIが自律的な知能を持つことはなく、第3部で人類滅亡を避けるための選択肢を考える。人間の脳の知的機能とは、遺伝子より確実な人類の存続に必要なものと著者は主張している。2022/06/19

ジョンノレン

44
著者は脳科学のみではなく、最終的には脳の構造と機能に肉薄したAI導入を目指し、主宰する「ヌメンタ」で双方について研究を行ってきた。それ故、実証性を重視するアカデミックな脳神経学者が躊躇するレベル、トータルな枠組みまで踏み込んで自説を主張する。新皮質の基本構造の一つであるコラム(円柱のニューロン束)は、五感や移動等の諸経験の重ね合わせによる世界モデルの構築や行動予測の機能に加え、特に座標系構築により抽象概念や複雑な入れ子構造や回帰を伴う言語を操るまでの高度な機能を担うとした。また脳の民主的機能にも言及する。2022/08/16

たまきら

40
脳科学自体が脳のシステムのようだなあ…と良く思います。原始的なものから大脳新皮質への進化のように、基礎的な研究の上に新たな研究が積み重なっていきます。その研究のネットワーク自体がゆるくつながっている感覚…それ、似たようなものがない?ああ…ウェブサイト。社会のつながり方…色々とパターンを探して自分の脳がワクワクしているのが感じられました。AIについての文章も面白かったですが、ChatGPTなど現実がさらに面白くなってきてるからなあ…。2023/05/23

booklight

39
【拾読】どのモデルも座標系を有しているのでは、というのは面白い。座標系で理解するということは、入ってくる感覚情報を点として位置付け、その前後左右があると考えるのがセットになる。何かを考えるということはその前後左右との関係性を考える、というのはたしかにあるかな、と思う。最近、色々話していると、なんでこの話しているんだっけ、と思うことが度々あり、この本を読んで座標を見失っているのかな、と思った。という卑近な例で納得していいのかどうか。2,3章のSFネタは、こういう人はこういうことも考えるんだ、と興味深い。2023/08/27

ハチ

23
違和感が生じた部分もあったが総じて大胆で先見的であり興味深く読んだ。 「座標系」を採用した新皮質のモデルを解き明かす前半から、人類存続のためのロマン溢れる後半への流れはジェットコースターのように読まされた。以前、東京藝大の美術解剖学講義で「美とは脳の多次元平衡における動的平衡点」と述べた事があったが、筆者の多次元座標系の考えと一寸、親和した。2022/11/19

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