内容説明
推薦・細田守監督(『サマーウォーズ』『竜とそばかすの姫』)
生まれながらの身体を離れ、スキルをインストールせよ!
ロボット、バーチャルキャラクター、すべての人間がアバターとなり
一人の体験が、人類の体験になる――
仮想空間[メタヴァース]に身体性をもたらすことで現実との融合をはかり、すべての人びとが身体と体験を共有し合う世界の実現を目指す気鋭の情報工学者の「思考」と「実践」とは。
米TIME誌「世界の発明50」に選出されるなど
いま世界が注目する研究者・起業家による「テクノロジーの最前線」と「未来予測」!
目次
序章 誰か一人の体験が世界を輝かせる
第1章 感覚伝達とインターフェース ――新しいメディアの創造
第2章 BodySharing ――体験を入出力する未来のデヴァイス
第3章 サイバーとフィジカルが融合する世界
第4章 変容する脳と身体――ポストヒューマンへの解放
第5章 溶け合う心と知の変容――データ駆動社会における能動的誤配と自由意志
第6章 未来を創造する――2050年自己複製化[マルチスレッド]と死の克服
終章 未来を生み出すための物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
30
私たちはすでに多くのものをデータ化しているが、近いうち脳の信号をキーボードやカメラを使わず直接クラウド保存するような時代が来るかもしれない。そのデータをダウンロードすることである種の不死が現実になるかもしれない。そこに触覚や味覚、嗅覚を加えることができるようになるのだろうか。可能性に興奮するとともに、一つ屋根の下で人生を共有することのリアルに感謝を覚えた。…生ごみをミミズコンポストする楽しさは、地球と同化するような楽しさだし。2022/06/09
ta_chanko
20
衝撃的な未来構想。人間が「自分の身体」という制限から解放され、ヴァーチャル上のアバターや、実際のロボット・人間・動物など、さまざまなものに憑依し、自分自身ではできないことを体験できるようにするというもの。確かに、病気で身体が動かない人がいろんなことを体験できたらいいし、病気でない人も、できることならいろいろチャレンジしたい。これが社会に実装されたら、技術の伝達や体験の共有などにおいて、世界に革命的な変化が起こるだろう。そして、技術的にも不可能ではないように思える。2023/05/26
冬佳彰
17
著者紹介に、「サイバーとリアルを融合させ、バーチャルキャラクター、ロボット、ヒトが身体情報と体験を相互共有(BODY SHARING)する世界の実現を目指す」と。そのBODY SHARINGを目指す(著者の個人史も含めた)過程、現在の研究状況、未来について丁寧に書かれた本。うーん、言いたいことも、アプローチも分かるけど、って感じかなあ。俺が心配性、ってのもあるだろうが、「んなことして、精神を病んだりしないのか?」とか「いや、それって自我のコピーとはまた別の話よね」とか思っちゃう。(続く)2023/01/17
スプリント
12
テクノロジーの進歩が導く人類の未来についてワクワクするような情報が詰まっています。2022/05/05
コジターレ
9
この先起こりうる未来を覗き見たような気分。テクノロジーの進化を止めることはできないし、人類が享受できることも大きいだろう。しかし、保守的な僕は、どうしても進化による副作用や悪用のほうが気になってしまう。人間はすでに進化についていけず不適応を起こしているという立場だからだ。そして、著者は反論しているが、やはり僕は「著者の描く未来が訪れたときは、もう人間が人間じゃなくなるな」「これは人間としての退化だな」などと思ってしまう。2022/09/27