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内容説明
不動産の高騰が止まらない。 銀座の地価は一九八〇年代のバブル期を上回り、三大都市圏と「札仙広福」(札幌・仙台・広島・福岡)の狂乱が著しい。国内外の投資マネーの流入、外国人富裕層の購入を背景に、超大型ビルや再開発の計画が目白押しだ。タワマンの販売も好調である。 バブル崩壊から四半世紀。ふたたび急上昇する不動産価格はこのまま暴走するのか、それとも落ち着きを取り戻すのか。値上がりは東京オリンピックまで続くのか。 業界に精通した著者は崩壊の兆しを感じ取り、あえてその後の不動産に明るい未来を託す。 「今、不動産はどうなっているのか」がわかる、スリリングな1冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほじゅどー
7
★★★もしも金利が上昇しローン返済困難となると、前回のバブル崩壊時と同様に、銀行は大量の不良債権を抱えるだろう。不動産価格や株価は急落するだろう。その時、海外の投資マネーは日本の不動産を「売り」に行く?バブル崩壊の雪崩に巻き込まれるのは銀行と日本人個人投資家?2023/05/10
Ryo O
4
不動産業界の直近情況の著者なりの分析。不動産市場が、株式市場などと同様に投資的な性格が強いことがよくわかる内容。市場構造を俯瞰的に捉えるための書として、非常にわかりやすく、読みやすい。 現在の市況は、相続税対策や容積率の緩和、オフィスビルの立替えによるストックの増を外国人投資家の受容や都心回帰、金融緩和による資金供給やインバウンドマネー、証券化による流動性の高まりで買い支えられているとの論。 一消費者としては、生活コストが投資マネーの影響を強く受けるということは、非常に腹立たしく感じた。2019/09/12
前田まさき|採用プロデューサー
3
著者の近著のまとめ、的な内容でした。J‐REITや低金利政策、中国や台湾からの投資マネー流入。不動産の証券化やオリンピック効果による「不動産バブル」が続いている。だが、それはあくまでバブル。2022年には「生産緑地制度」が期限を迎え、地価下落のリスクが。2024年には首都圏に暮らす200万人以上が後期高齢者に。不動産価格高騰を牽引してきた外国人投資家も、いつ撤退するかわからない。と、不動産業界の暗い未来が予見されるものの、見方を変えれば筆者のいうように「不動産は安いほうが、国も民も幸せ」かもと思いました。2018/05/29
O. M.
2
最近の日本の不動産事情についての解説。都心の不動産価格は上がっているが、必ずしも実需によるものではない(海外の投機マネーの流入)。都心と郊外の二極化。バブルが崩壊するとどうなるかの解説は、これから不動産売買を検討されている方は、一つのシナリオとして知っておいたほうが良いですかね。株などと違って流動性が心もとなく、素人が資産として長期保有するのはリスクが大きいと感じました。2019/04/07
akamurasaki
2
不動産の現在とこれからの未来予測をわかりやすく解説。もはや不動産で儲けようというのは素人さんは考えない方がいいな・・・不動産業界は銀行、証券、そして外資と魑魅魍魎が跋扈するマネーゲームの世界になってしまったようだ。暗澹たる気分になりながらも、最後の方はちょっと明るい未来も提示されていたりして、読みごたえのある一冊でした。2018/05/01