ちくま新書<br> ものがたり戦後史 ――「歴史総合」入門講義

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ちくま新書
ものがたり戦後史 ――「歴史総合」入門講義

  • 著者名:富田武【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2022/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480074621

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内容説明

高校の社会科で、従来の日本史、世界史を総合した近代以降を扱う新科目「歴史総合」が始まるのに合わせ、1945年生まれで戦後をともに歩んできた「終戦っ子」教授が、長年にわたり大学で講じてきた戦後史の集大成となる最終講義を開講。既成の日本史・世界史教科書の記述を組み直すのではなく、歴史研究の最新知見を盛り込んだ上で、年表や図版、コラムを多数取り入れて構成。「歴史総合」のサブテキストとしてだけでなく、大学生や社会人にも役立つ戦後史再入門の一冊。

目次

はじめに
第1講 第二次大戦と日本の敗戦
1 第二次世界大戦
総力戦と総動員体制
ファシズムの敗退
民族解放運動の進展
講和と戦後秩序
2 アジア・太平洋戦争
戦争の呼称と認識
日本の敗因
3 日本の敗戦過程
国際的孤立のなかでの継戦
米ソ日三国の暗闘と終戦
ソ連侵攻と降伏文書調印
コラム1 各国の終戦記念日
第2講 占領下改革と新憲法
1 日本占領の体制
2 占領下の諸改革
非軍事化・軍国主義排除
政治・社会の民主化
経済改革の実施
3 新憲法の制定
日本側官・民草案とマ元帥ノート
GHQ案と諸修正
極東委員会と国内世論
コラム2 戦争の傷跡と米軍の印象
第3講 戦後復興と朝鮮戦争
1 政党政治と経済復興
政党政治の復活
経済の改革・復興
米国の経済介入
2 冷戦と占領政策転換
トルーマン・ドクトリン
日本占領政策の転換
3 中国革命と朝鮮戦争
中国内戦と共産党勝利
朝鮮戦争勃発とその惨状
朝鮮戦争と日本の関与
コラム3 サラリーマンの家
第4講 日本の独立と五五年体制成立
1 サンフランシスコ講和会議
講和への道
講和会議の議論と結果
2 日米安保条約と周辺諸国
安保条約の対米従属性
周辺諸国との関係
3 五五年体制成立と日ソ国交
社会党統一と保守合同
日ソ国交回復
コラム4 学校給食と映画『原爆の子』
第5講 安保闘争から高度成長へ
1 冷戦の推移
冷戦から雪解けへ
二極から多極へ
対立と協調の繰り返し
2 六〇年安保改定と安保闘争
安保条約の改定
国会での論争点と世論
3 高度経済成長期へ
成長ぶりと要因
社会の変容
コラム5 安保闘争とキューバ危機
第6講 ベトナム戦争と世界
1 ベトナム戦争の経過
抗仏戦争から抗米戦争へ
アメリカ本国の反戦運動
2 中国文化大革命と中ソ対立
中ソ蜜月から対立へ
文化大革命
米中・日中関係
3 日韓条約から沖縄返還へ
日韓条約の締結
革新政党の動向
沖縄返還の実現
コラム6 報道とジャーナリスト志望
第7講 高度成長の矛盾と石油危機
1 公害問題と革新自治体
公害問題
革新自治体
2 若者文化と社会運動
若者文化の変容
新しい社会運動
3 石油危機と危機対応
石油危機
先進国低成長時代へ
コラム7 新左翼とは何だったのか
第8講 七〇年代のヨーロッパ
1 ドル・石油危機とデタント
経済危機と欧州安全保障
デタントと両独接近
2 社会民主主義と福祉国家
社民政権の七〇年代
南欧の遅れた民主化
3 西欧統合と民族・移民問題
ECの統合進展
西欧の民族・移民問題
コラム8 ドイツの「過去の克服」
第9講 七〇年代のアジアと日本
1 米中和解と中国・朝鮮
和解の両国への影響
鄧小平の復権と改革・開放
2 田中の外交と内政
訪中・訪ソの意義
内政の成功と失敗
ロッキード汚職と田中院政
3 中ソの対外戦争と権威失墜
中越戦争とインドシナ難民
ソ連のアフリカ進出とアフガン侵攻
コラム9 田中角栄という政治家
第10講 イスラム勢力の台頭
1 イラン・イスラム革命
イスラム国家の成立
白色革命への反動
2 イスラム復興運動
イスラム教とは
ムスリム同胞団
3 イスラム世界の広がり
中東戦争とアラブ結束
イスラム勢力の拡大
コラム10 イスラムの宗教と風習
第11講 新自由主義と日本の大国化
1 英米の新自由主義
新自由主義とは
英サッチャー政権
米レーガン政権
2 日米経済摩擦とナショナリズム
日米経済戦争
バブル経済へ
3 中曽根の外交と内政
日米同盟とアジア
行政改革と民営化
コラム11 円高で海外訪問
第12講 ペレストロイカと冷戦終結
1 ペレストロイカの背景
ポーランドとハンガリーの改革
ソ連の経済停滞と老人支配
2 改革から体制崩壊・連邦解体へ
情報公開から民主化・分権化へ
外交革命と対欧米・アジア政策
民族紛争拡大と経済改革挫折
3 東欧革命とドイツ統一
東欧革命の進展
「壁」崩壊とドイツ統一
コラム12 ペレストロイカとアウシュヴィッツ
第13講 中国の改革・開放と東アジア
1 中国の「社会主義市場経済」
市場経済化の実態
追いつき的近代化
2 開発独裁から民主化へ
アジア諸国の開発独裁
台湾と韓国の民主化
3 北朝鮮の孤立と国際社会
経済破綻と難民流出
対日・対韓関係
北朝鮮は社会主義か
コラム13 天安門事件と拉致問題
第14講 ポスト冷戦の日本
1 経済グローバル化と日本
長期的・構造的不況
グローバル化圧力
格差社会化
2 五五年体制崩壊と政界再編
五五年体制の崩壊
社会党の凋落
小選挙区制と政界再編
3 安保強化とネオ・ナショナリズム
湾岸戦争以後の安保強化
対外摩擦の表面化
コラム14 日本の政治家寸評
第15講 二一世紀に入って
1 戦争の過去と未来
戦争の定義と性格
戦争が生む難民
核兵器とAI兵器
戦争ができる国へ?
2 地球環境と持続可能な開発
公害対策から環境保護へ
環境保護でも南北対立
持続可能な開発とは
コラム15 中村哲さんと田尾陽一さん
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

樋口佳之

52
高校で担当する先生方のために、さらに授業開始後は知識欲旺盛で、問題意識のある高一生も念頭に、参考書として執筆したもの/んー。タイトルのものがたり的部分が掴めない(コラム?)先生や歴史好きな生徒さん向けでは。2022/03/29

サケ太

17
第二次世界大戦から戦後の様々な動きを知ることが出来る一冊。「歴史総合」を意識して書かれており、全体的にまとまっていて読みやすかった。個人的に世界史、特に現代史については本当に弱いので助かる。現在の世界の動きにも強く繋がっており勉強になる。今を生きるために色々と確認、勉強は必要だと感じさせられる。しかし、歴史総合とは個人的にワクワクする。教科書も買ってみようか迷う。2022/02/26

さとうしん

13
日本と世界の政治外交、経済史。内容的に要所を押さえてよくまとまっている。コラムとして各章末に当時の世相と関連した著者のライフヒストリーがあるのが良い。2022/03/12

lily

11
戦後史を著者の専門である日ソ関係に注目した上でまとめた入門書。「ものがたり」「歴史総合入門」ということでキャッチーな雰囲気を醸し出しているが実際には戦後史を単に俯瞰した一冊、というところ。週2コマの歴史総合でここまで網羅的に授業していくのは無理なんだよなぁ…。戦後っ子の著者のライフヒストリーは参考になった。2022/10/19

かんがく

10
ほぼ日本史と世界史の現代史の教科書的記述を合体させただけで、歴史総合としては物足りなかった。2023/05/16

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