講談社選書メチエ<br> 物価とは何か

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講談社選書メチエ
物価とは何か

  • 著者名:渡辺努【著】
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 講談社(2022/01発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 570pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065267141

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内容説明

あのバブル絶頂時、そしてその崩壊、いずれのときも意外なほどに物価は動かなかった。それはなぜか?
お菓子がどんどん小さくなっている……なぜ企業は値上げを避けるのか?
インフレもデフレも気分次第!?
物価は「作る」ものだった?

経済というものの核心に迫るための最重要キーである、物価という概念。
国内第一人者が初歩の初歩から徹底的にわかりやすく説き起こし、社会にくらす私たち全員にとって、本当に知るべき経済学のエッセンスを教える、画期的入門書の登場!

ハイパーインフレやデフレと闘う中央銀行や政府の実務家(ポリシーメーカー)たちは、何を考え何をしているのか。
それらの成果と教訓を研究者たちはどのように学び、理論を発展させてきたか。
私たちの生活そのものと直結する、生きた学問としての経済学が立ち上がっていく様を生き生きと描く!
学問としてのマクロ経済学を希求する、真摯な社会科学探究。

インフレもデフレもない安定した社会は、実現できるのか。
その大きな問いにこたえようとする、エキサイティングな一冊!

【本書より】
個々の商品の価格が、売り手や買い手の個別の事情を適切に反映して動くのは、自然なことです。そして、個々の価格は忙しく動きまわるけれど全体としてみると安定している、というのが健全な姿です。ただ、同じ「全体が動かない」場合でも、個々の価格がまったく動かず、その当然の帰結として全体も動かないということもあり得ます。しかしそれは病的だと言えるでしょう。(中略)売り手や買い手の事情で価格が上がり下がりするという、経済の健全な動きが止まっていたら、それは異変とみるべきです。後で詳しく述べますが、今の日本経済はこれに近い状態だと私はみています。

【主な内容】
はじめに
第1章 物価から何がわかるのか
第2章 何が物価を動かすのか
第3章 物価は制御できるのか――進化する理論、変化する政策
第4章 なぜデフレから抜け出せないのか――動かぬ物価の謎
第5章 物価理論はどうなっていくのか――インフレもデフレもない社会を目指して
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

136
評判の一冊、とても勉強になった。「物価」…実は何もわかってなかったことを思い知る。何より印象的なのは、インフレ率を計算する式の中にインフレ予想という項が入っている自然失業率仮説。最先端の経済理論が、物価の上下は人々の予想(気持ちの持ちよう)次第だと言っているとは…。それは「金融政策の98%はトーク」という言葉でも示されている。中央銀行の政策とは人々の予想に働きかけることだと。日本ではフィリップス曲線が平坦化し、デフレ脱却に金融緩和が効かないと指摘されているが、新しい日銀総裁の今後の言動を注視してゆきたい。2023/03/19

KAZOO

105
経済学の教科書というよりは万人にわかりやすく物価とはどのようなものか、デフレ脱却のための情報を提出してくれているエッセイなのでしょう。著者はもともと日銀に努めておられたのが、現在は大学で教えているということで、理論的なものよりも物価が今まで上がらなかった要因などを解いて今後の方向性を示唆してくれています。私には非常にいい本でした。しばらくしたらメモを取って再読したいと思いました。2022/04/03

ばたやん@かみがた

102
《物価理論に拘るだけで真の理解に達せるか?》物価を適正に測る為の工夫、それにより得られたデータから適切な金融政策を展開するための理論などを分かりやすく語って頂けます。特にこれまで先進国を中心に多くの失敗を重ねて、当に政策現場から得られた知見を踏まえてこそ日々新たな理論が形作られていくことに敬意を表するべきでしょう。/その上で物価理論を精緻に組み上げていくだけでは、現状変えうる政策転換は望み薄なのでは、という疑問が生じてきます。(1/2) 2022/03/17

ひろき@巨人の肩

84
本書の根底となる考え方は、①物価とは「蚊柱」である、②インフレもデフレも気分次第、の2つ。蚊柱の動きは、原油高など個別の価格上昇が原因ではない、という点を、世界のハイパーインフレを紐解いて解説。中央銀行の静かなる改革、インフレターゲティングとフォワードガイダンスが、現時点では上手く機能している。一方、デフレの仕組みは、日本を事例に解説。一円の値上げも許さない消費者にダウンサイジングと商品新陳代謝て対応する企業。その間にグローバル競争力が低下する事態に。今後、個々の値付けが物価へ与える影響は解明すべき問題。2023/11/20

マエダ

50
風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話の連続だが、答えのないことに対するアプローチや考え方。非常に面白い一冊。2022/10/06

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