感じる脳 - 情動と感情の脳科学 よみがえるスピノザ

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感じる脳 - 情動と感情の脳科学 よみがえるスピノザ

  • ISBN:9784478860519

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内容説明

米国の著名な脳科学者である著者が、多くの脳障害・損傷患者の研究から導き出したのが、身体反応(=情動)を脳が受け取り感情を生みだすという考えです。これとほぼ同じ考えを持っていたのが、哲学者・スピノザでした。本書は最新の脳研究とスピノザの哲学的思考がどのようにリンクし、同一の考え方に至ったのかを説いた一冊です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

32
再読になるのだけれど、相変わらずヴィヴィッドな筆致に惹かれる。感情や情動というとらえどころのないものこそが自分たちの思考を左右するという説をスピノザを絡めて説き明かしていくあたり、実にスリリング(その根っこをたどっていくと、それこそ本書に代表される脳科学や哲学が探究してきた心身問題や心と脳の関係にぶつかるのだろう)。そしてダマシオの視線はそうした脳科学の発見とスピノザ哲学を表層的に・野心を秘めてつなぐのみならずさらに新たな人類の可能性に向けても向けていると受け取る。この本からぼく自身、もっと多くを学びたい2024/07/02

踊る猫

22
やっと読むことができた。私自身がバリバリの文系ということもあって、生物学/脳科学の分野にはおっかなびっくりで読んだのだけれどバールーフ・デ・スピノザの哲学や来歴を平たく整理し(意地悪く言えば、著者なりに歪められたスピノザ像ではあろうかと思うが)、彼の先見の明を紹介し現代の脳科学の成果/実績と結びつける。知的読み物(と書くとクサくなるが)としてスリリングで読みやすいし、スピノザを現代に蘇らせようとする野心が頼もしい。ダイナミックに過去を振り返ることで未来をも見据えた、概観するレンジの広い書物ではないかと思う2021/12/02

roughfractus02

7
心は身体の観念である。スピノザは生命維持機能としてのコナトゥス(生きる努力)を貫くものとして有機体を捉え、身体のより優れた健全性への努力が喜びになるとした。著者はこの考えを脳神経科学から探求する際、興奮等による身体の変化としての情動とそこから起こる快不快の感情を区別し、情動が先行し感情が後から生じたという進化論的説明に根拠を与える。一回的状況に個々に反応する情動の細部を省き、快不快の反応を残せば、時間的に効率的な反応が可能だからだ。ソマティック・マーカー仮説は自然科学で扱いづらい感情領域に踏み込んでいく。2017/09/29

kanaoka 58

5
身体、情動、感情、思考の連続的プロセスとしての繋がりや脳に描かれる身体マップ、そこから出現するメンタル・イメージ、それを基礎とした思考モード、そして心が生み出す自己という基準点と周囲の対象の存在を認識するプロセスとしての「意識」の構造が良く理解できる。 また、快、苦をはじめとする様々な感情が、身体としてのホメオスタシスとして機能し、さらに社会制度もホメオスタシスの拡張であるとの洞察が素晴らしい。 2024/11/30

ばにき

3
一読したが、大まかには理解できた。革新的な発展をする人は一見異なるものを結びつける能力が高いんやろなあと思った。2020/03/02

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