内容説明
本書は2004年の初版以降、時代状況にあわせて言論法を体系的に概説してきた。表現の自由とジャーナリズムを主軸に、報道・取材の現場で直面する様々な問題を丁寧に読み解き、記者や制作者に役立つ実務的なハンドブックとしても機能。見開きで本文の右頁に関連資料を配置し、デジタル化法など最新資料を加え5年ぶりの全面改訂!
目次
序にかえて
凡 例
参考文献
第1部 総 論
1 民主主義社会と表現の自由
I 表現の自由の意義と保障
II 民主主義と言論
III 表現の自由と国家観
2 検閲の禁止と表現規制類型
I 表現の自由の歴史
II 日本における表現の自由と検閲
III 表現規制の類型
3 取材・報道の自由と報道定義
I メディアの自由と権利
II 取材源の秘匿
III 報道定義と記者クラブ制度
4 プレスの公共性と特恵的待遇
I 現代メディア状況と社会的役割
II プレスの法的・社会的特権
III メディアの公共性とメディア政策
5 開かれた政府の実現
I 情報化社会における表現の自由
II 情報公開法の特徴
III 公文書の管理
6 個人情報の保護
I 高度情報化と個人情報
II 個人情報運用の新たな展開
III 個人情報の集積と拡散
7 立法・司法情報へのアクセス
I 司法情報へのアクセス
II 裁判員裁判と取材・報道
III 立法情報へのアクセス
8 情報流通・頒布の自由
I 情報流通の自由の射程範囲
II 著作物の流通システムの保護
III 図書館・博物館の自由
9 放送の自由と放送政策
I 放送事業の自由と規律
II 放送番組の自由と規律
III 公共放送と商業放送の並立
10 サイバースペースの表現の自由
I インターネットをめぐる状況
II 表現の自由の例外拡大
III 自由と責任のバランス
第2部 各 論
11 国家安全保障と知る権利
I 国家秘密の保護と表現の自由
II 特定秘密保護法と政府監視
12 国家利益との衝突
I 教育水準の確保と表現の自由
II 被収容者・公務員の表現の自由
13 選挙と表現の自由
I 選挙活動の自由
II 選挙報道の自由
14 政治をめぐる表現の自由
I 憲法改正と意見の表明
II 政府・政党の表現行為
15 社会秩序の維持と大衆表現
I 社会秩序の維持
II 大衆表現の規制
16 平等社会の実現と差別表現
I 差別的表現の実態と国際ルール
II 差別表現規制の方法と課題
17 猥褻・性差別表現
I 猥褻表現規制の歴史
II 規制手段と限界と課題
18 子どもをめぐる表現規制
I 子どもを理由とした表現規定
II 報道の自由と救済措置のあり方
19 広告表現の自由
I 広告の自由の射程範囲
II 広告規制の態様
20 著作権と文化財の保護
I 著作権の保護領域
II デジタル時代の著作権
21 名誉毀損と批判の自由
I 名誉毀損法制の基本構造
II 免責要件
22 プライバシー侵害
I 権利の成立と展開
II 権利侵害の成立要件
23 報道被害の規制と救済
I 名誉毀損・プライバシー侵害の救済手段
II 事件報道免責規定と論評の自由
謝辞
索引