日本経済新聞出版<br> カーボンニュートラルの経済学 2050年への戦略と予測

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日本経済新聞出版
カーボンニュートラルの経済学 2050年への戦略と予測

  • ISBN:9784532359041

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内容説明

日本政府は2020年10月26日、2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)にするとの政策目標を表明しました。この目標を実現するための経済政策の道筋は日本では明確にはなっていません。米巨大IT企業をはじめ世界の企業は、サプライチェーン全体を脱炭素にしようとしています。脱炭素を目指さなければ彼らとビジネスができなくなります。DX(経済社会のデジタル化)を加速することで脱炭素を実現する変革のシナリオを描くことが必要なのです。排出量ゼロへの挑戦は歴史的ビジネスチャンスでもあるのです。
 日本経済研究センターは、人工知能(AI)やあらゆるモノがネットにつながるIoT、ビッグデータが広く深く普及した第4次産業革命後のデジタル経済を想定、2050年度に13年度 比8割削減した場合の経済構造や削減コストを試算しています。現状で想定できるデジタル経済へ全面的に移行すれば、エネルギー消費量は6割減少し、さらに1万円/トン・CO2(t-CO2)の環境税(炭素税)を課税すれば8割削減は可能、との結果が得られています。1.5℃目標の達成には税率を2.1万円超/t-CO2にするほか、脱原発に移行するならば、CO2を地中埋設するCCS(CO2の回収・貯留)が必要になります。デジタル経済への移行が、生産性向上につながる経済改革だけでなく、結果的に温暖化ガス削減にも貢献し、排出量ゼロも可能性があるのです。
 本書は、日本経済研究センターに蓄積されてきた地球環境問題の知見と長期予測の成果を活用してカーボンニュートラル実現に必要な制度、政策と企業の選択を明らかにするものです。

目次

序 章 2050年――2つの選択
第1章 展望――「実質ゼロ」への道
第2章 構造――産業地図 様変わりも
第3章 戦略――エネルギー需給の現実と未来
第4章 制度――カーボンプライシング(CP)なくして脱炭素なし
第5章 変容――企業、消費者の役割が変わる
第6章 政策――地球環境で各種規制の統合を
第7章 協調――世界的協力の必要性と可能性
第8章 21世紀における生命と地球の安全保障
CN(カーボンニュートラル)キーワード

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メタボン

25
☆☆☆★ 著者が京都議定書作成時の環境省担当者だっただけに、実務面、政策面に詳しく、より現実に即したカーボンニュートラルに対する論考だった。ポイントは炭素税の拡大と並行して炭素排出量取引の浸透にある。パリ協定に基づく緩やかな協調が今後の地球温暖化回避の鍵を握ることは間違いないだろう。最後の経済理論については、「経済学部出身」の私にとっても難しくて歯が立たなかった。というかそもそも読み込んで理解しようとする意志が最初からない(笑)。2022/01/03

kk

3
カーボンネットゼロを達成するためにはイノベーション並びに各ステークホルダーの自主的な努力が必須となっている。ただしかしこういった動きを後押しするのが政策であり、国は炭素税、排出権取引制度といったインセンティブを取り入れることが極めて重要。2022/07/02

yuno

3
元環境次官が中心になり執筆・編集した本。4人で書いた第4章は、カーボンプライシングの理論の説明や海外制度の解説が充実しており参考になる。ただ、他の章は環境政策で環境省が主導権を取りきれないフラストレーションが終始滲み出ており、それほど学ぶところもない。また、カーボンニュートラルの議論では原子力の位置付けが非常に重要であるが、第3章で鈴木達治郎氏に丸投げして反原発の論陣を張らせており、本当に真面目に脱炭素を考える気があるのか疑問。カーボンプライシングの経済学、というタイトルならとてもよい本だと思う。2022/01/04

Go Extreme

3
2050年―2つの選択 展望―「実質ゼロ」への道: 自然体でも5割減にー省エネや人口減で DX加速でさらに3割減 構造―産業地図 様変わりも: 産業連関表をよりどころに 製造業は「ゼロ」へ曲折も 戦略―エネルギー需給の現実と未来: エネルギー基本計画―「計画」であって「戦略」ではない 制度―カーボンプライシング(CP)なくして脱炭素なし 変容— 企業、消費者の役割が変わる 政策―地球環境で各種規制の統合を 協調―世界的協力の必要性と可能性 21世紀における生命と地球の安全保障 CNキーワード2021/12/31

じゅんぺい

1
ちょっと難しかった部分もあったが、ずっと読みたかった本だったので何とか読了。政策周りの話を理解するのに役立った。2023/08/22

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