残月記

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残月記

  • 著者名:小田雅久仁【著】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 双葉社(2021/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 480pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784575244649

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内容説明

近未来の日本、悪名高き独裁政治下。世を震撼させている感染症「月昂」に冒された男の宿命と、その傍らでひっそりと生きる女との一途な愛を描ききった表題作ほか、二作収録。「月」をモチーフに、著者の底知れぬ想像力が構築した異世界。足を踏み入れたら最後、イメージの渦に み込まれ、もう現実には戻れない――。最も新刊が待たれた作家、飛躍の一作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

740
表題作を含めて3つの作品を収録。「残月記」はその中では一番長く、表題にも取られているのだが冗長に過ぎるか。月のシーンは美しいが、物語の中核を背負うアイディアがローマの剣闘士では不十分だったのだろう。また、マイノリティに対して差別的であるととられかねない危険も孕んでいる。小田雅久仁は初読ということもあって、むしろ巻頭の「そして月がふりかえる」の方に魅力を感じた。安部公房の小説を通俗化し、エンターテインメント小説に仕立てたといった風情である。世界の変貌に立ちあってしまった高志の戸惑いは説得性もあるのだが⇒2024/01/24

ろくせい@やまもとかねよし

657
パラレルワールドSFの3短編。内容は思考、社会、自然にわたりとても豊かで、多様な想いを喚起する素晴らしい作品。描かれる意識の二面性、幻想と現実に惹かれた。それらの全く異なる描写感も見事。幻想は共有を前提にしていない自由なもの。現実は事実を同じ現象と理解する前提で、言葉で媒介。しかし言葉は危うい。説明を尽くしても幻想の一部に飲み込まれる。ユニークな題材も。「そして月ー」は、見た目や発言や感覚がほぼ同じ人間の差異。「月景石」は、社会のためと正義が装う暴力。「残月記」は、社会から理不尽に差別される人たちの愛。2022/04/08

starbro

640
2022年本屋大賞にノミネートされたので読みました(図書館では間に合わなそうなので急遽ヤフオク対応)。ノミネート作品10/10漸くコンプリート、小田 雅久仁、初読です。タイトルが似ていることから「山月記」に近いノリだと思っていたら、全然違いました。月をテーマとした中短編集、不思議な世界観なので一般受けはしないですが、私は楽しめました。 本屋大賞の予想は、ステイです。 https://bookmeter.com/communities/337840/topics/21213/comments/19663182022/03/17

青乃108号

579
【そして月がふりかえる】大学の映研が撮っていそうな物語。少しくどい。もっと短くした方が良い。【月景石】あまり良くない。1日経ったら憶えていない程印象に残らない。【残月記】長い。面白い部分もあるのに残念ながら気が遠くなる程退屈な部分の方が多い。その気が遠くなる程退屈な部分がどうしてもこの作品には必要だったのは嫌というぐらいに実感できる。この作品は短編には出来ないというか出来るかも知れんがしかし短編ではこの何とも言えない味わいは出せないだろう。2022/12/27

まちゃ

402
月を題材にしたダークな3編を収録。楽しめましたが、宣伝ほど引きこまれませんでした。「そして月がふりかえる」と「月景石」は、ダークファンタジー風で好みでしたが、良いところで終わってしまった印象。表題作「残月記」は、ハンセン病を想起させる「月昂」という感染症への差別や隔離政策に抗った男の悲哀2022/04/24

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