内容説明
2021年を以て生誕85年、11月21日で没後10周年を迎える立川談志の最後のまくら集文庫。若き日の盟友・五代目三遊亭圓楽が始めた伝説のホール落語会『にっかん飛切落語会』の第3回からゲスト出演した立川談志は、その後2007年まで58回の長きに亘って出演し、時代時代の世相と社会問題を、その“まくら”で本質を突いて来ました。政治・経済・文明と文化、およそ当時の噺家らしからぬ発想で世の本質を問い、その毒舌で斬って来た歴史を、『にっかん飛切落語会』の録音から厳選してお届けいたします。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
67
世の中を思えば故の、時に辛辣な世情斬り。政治と世相が、主戦場ですね。前者からは、政府の押し付けと国民の消費動向を斬ることで滲む両者の乖離。後者からは、現代にも続く格差問題。竹脇無我にアランドロンで語る本質にも、師匠らしさ。世の中の”違い”を踏まえた処世術、という感。四の五の言わず寄席に来い!ですね、師匠。興味深いのが、「文化vs.文明論」の件。論旨以上に、”ありがたみ”を思い出させてくれた。因みに伏字部分は、何を発言したのか想像がつかない。2022/08/21
gtn
19
にっかん飛切落語会における談志師のまくらを、時系列に並べたもの。独演会ではないためか、70年代半ばは、師らしくもない共感の得られる前フリだったが、80年代から理屈っぽくなり、2007年は完全にイリュージョンの世界。歳を重ねるにつれ、師の語ることに何でも感激する談志信者が増えた結果だろう。2021/12/10
やまねっと
4
にっかん飛切落語会に、出た時のマクラを載せた本。 まだ、ここに載っけれる類の話が収録されている。 とても面白い。非常識すぎて笑えないところもあるけど、そこをひっくるめて談志だと思う。 引っかかるところが、いちいち客が笑ったところに「笑」とか「爆笑」とかを書いているのが読んでて邪魔だと思った。最初は談志が笑っているのかと思ったが、談志が自分で言ったことを笑うわけがないから客が笑ったのをいちいち書いたと思うのだが、そんなことを強要されても笑うところは笑うし読み飛ばすところもあるから、この「笑」の部分は余計だ。2022/01/22
OMO
1
面白さ:○ 興味:○ 読みやすさ:○ 新鮮さ:○ 文学的云々:×2023/05/09
もと
0
まく2022/01/15