ヤクザ・チルドレン

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ヤクザ・チルドレン

  • 著者名:石井光太
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • ミリオン出版/大洋図書(2021/11発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784813022862

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内容説明

テレビ、雑誌、ネットなどのメディアは暴力団に関する情報をよく取り上げる。しかし、それは銃撃事件や抗争事件などといった“悪の要素”に偏りがちだ。当然、イチ暴力団員のことはもちろん、その家族、家庭の様子など見向きもしない。では、実際に暴力団員を父に持つ子供は一般社会の中でどのように生きているのか。そこには差別、貧困、虐待、離婚、薬物など、社会のあらゆる問題が隠されていた。本書では、子供たちの問題について長年取材してきた著者が、14名の“ヤクザ・チルドレン”の人生を辿りながら、“暴力団家庭”の実像に迫る。


石井光太(いしい こうた)
1977年・東京都生まれ。2005年、『物乞う仏陀』で作家デビュー。主に事件、文化、社会問題をテーマに執筆活動を行なっている。著書に『絶対貧困』『遺体』『「鬼畜」の家』『43回の殺意』『本当の貧困の話をしよう』など多数。『こどもホスピスの奇跡』で新潮ドキュメント賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ずっきん

101
ヤクザの子供として生まれた14人のインタビューとルポ。途中で『本当の貧困の話をしよう』の著者だと気づいた。わかっちゃいるけど、任侠とか漢ってのは本当にフィクションの世界での話だよなあ。百歩譲って昔はいたのかもしれないけど、暴対法のある現代ではこんな無惨なことになる。豪奢な振る舞いも、結局は末端(←小中学生)から金を吸い上げるシステムのてっぺんだからじゃんと怖気。格差がこれだけ開いた今、ヤクザの子供達だけの話じゃないよと暗澹となる。テスカトリポカはそれほど非現実的な小説じゃないってことだ。2022/04/14

fwhd8325

78
全く想像もしていなかった世界が描かれています。虐待やDVが育った環境で連鎖していくように、ヤクザの世界も同じようです。彼らは、この世界しか知らないまま育ってきたから、それがあたりまえと語ります。根絶することは望ましいことだが、家族も含めてその世界にいた者たちは、何をすればいいか迷うだけ、そして地下へ地下へと潜伏しながら生きていくしかないのだろうか。2022/07/31

nyaoko

61
物心ついた時から、彼等の周りには、暴力と薬とセックスが日常だった。やがて成長し、学校に行って友達と話をしたり、家に遊びに行って知る「普通じゃない自分の家」と言う事実は、どれだけの衝撃を受けたのか。そこから、親の生きる裏社会に染まって行く子と、そうでない子の違いは、貧困かそうでないか、親以外の大人がどれだけ関わってきたか、無関心だったかによって格段に違う。子供には子供の人生があるのに、社会は「ヤクザの子供だから」と言う偏見で誰も手を差し伸べない。支援や保護とは。石井氏はいつも私達に訴えている。2021/12/15

読特

42
暴力稼業の父はDV。母は薬物頼みの依存症。離婚を繰り返し育児放棄。自宅は薬の密売所。この上もなく荒んだ家庭環境。その子が進むも裏の道。”ヤクザ”の再生産は繰り返される。それでも生きていく、日本人として。もう一つのこの国の片隅。「国籍で差別するな!」とはいえても「”ヤクザ”を差別するな!」とはいえない。違法なシノギが生計手段。警察も児相も頼れない。少子化日本、社会的養護が必要な子供は4万7千。”ヤクザ”の親は子沢山。外国人を受け入れる前にやるべきことは他にある。暴力は排除しても、人を排除していはいけない。2021/12/22

くろにゃんこ

37
ヤクザの子供たち。その壮絶さに読むのが苦しくなってきます。妊娠したから産む。家族を育むのではなく覚醒剤にどっぷりハマり、また産む。逃げ場のない子供たちは非行に走り裏社会へ、夜の世界へ・・・どうにかできないのだろうか。紆余曲折ありながらも、表社会で生きる道を選んだ方の話はホッとしたが、かなりの強い意志がないと難しいのだろう。2022/01/09

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