筑紫哲也『NEWS23』とその時代

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筑紫哲也『NEWS23』とその時代

  • 著者名:金平茂紀【著】/鈴木成一【装丁】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 講談社(2021/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784065260685

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内容説明

かつて、日本にはこんなに自由で、一本背骨の通ったニュース番組があった――。

TBS『筑紫哲也 NEWS23』キャスターとして、日本の報道番組の新たな地平を切り開いた男が亡くなってから、今年で13年の時が過ぎた。「とかく一つの方向に流れやすいこの国で、少数派であることを恐れないこと」。最後の放送で噛みしめるように語った稀代のジャーナリストは、何を見て、何を考えていたのか。忌野清志郎、鴻上尚史、小澤征爾ら各界の文化人との交流、生涯の同志となった立花隆との共闘、そして「力の強いもの、大きな権力」を監視することへの強い意志。番組編集長として、在りし日の筑紫の姿を間近で見ていた著者が、関係者への膨大なインタビューをもとに振り返る。「頭をあげろ!」。世の中が混沌とする今だからこそ、筑紫の生き様はいっそう胸に響く。

筑紫さんといえば鋭い切り込みをしながら、顔は微笑んでいる、その表情が忘れがたい。
今こそ筑紫哲也の話を聞きたい、金平さんのそういう思いは僕もおおいに共鳴している――坂本龍一(音楽家)

●各章タイトル●
 第1章「二度目のプロポーズだから受けざるを得なかったんだよ」
 第2章 要は、何でもありということ
 第3章 君臨すれども統治せず(ただし例外あり)
 第4章 たたかう君の歌を たたかわない奴らが笑うだろう
 第5章 遊びをせんとや生まれけむ、戯れせんとや生まれけん
 第6章 筑紫さんがこぶしを振り上げて歌った
 第7章 沖縄を愛し、沖縄を最後の旅先に選んだ
 第8章 「旗を立てる意志」について僕が知っている二、三のことがら
 第9章 「政治部失格」だが「人間失格」では、断じてない
 第10章 「党派性で、人を区別して、つきあいたくないんだ」
 第11章 触媒としてのジャーナリスト
 第12章 タウンホールミーティングの時代
 第13章 「私の人生、百八十度、変わりましたよ」
 第14章 中国トップと市民の直接対話
 第15章 阪神淡路大震災報道、その失意と責務
 第16章 世界が変わった日
 第17章 番組内でのがん告知と、家族との残された時間
 第18章 『筑紫哲也 NEWS23』の最も長い日
 第19章 『筑紫23』に馳せ参じたJNNの「つわものども」
 第20章 『筑紫哲也NEWS23』で縦横に動き回った立花隆さんについて
 第21章 演劇空間としてニュース番組
 第22章 「『NEWS23』のDNA」〈伝承〉をめぐって
 第23章 「頭をあげろ!」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

108
「筑紫哲也NEWS23」にまつわる様々なエピソードを読みながら、改めて、筑紫哲也さんの筋の通った硬骨漢ぶりを再認識する。最後の多事争論で語られた「力の強いものに対する監視の役を果たす」「少数派であることを恐れない」「多様な意見や立場を登場させて自由の気風を保つ」の三つの信念を貫いた稀代のジャーナリストだったことを理解する。そのDNAが現在のメディアに受け継がれていないことを嘆く金平さんの熱い思いが迸っているが、文章の中に著者の「僕」が露出しすぎることが、この本を、少し読みにくくしているような気もする。2022/02/16

けんとまん1007

50
筑紫哲也という存在。ジャーナリストとは何かを考えることに繋がる。メデイア自体が、現状を見なくなっている今こそ、改めて考えるべき存在だと思う。自分にとって、筑紫哲也さんは、筑紫学長になる。10年前まで、10年間に渡って続いた「森の夢市民大学」の学長としての存在。10年のうち、2年目からの9年間、スタッフとして身近に感じるこっとが何度もあって、たくさんの気づきがあった。その知見・思考・人脈の幅広さと、市井の人への視線の在り様から感じいることが多かった。それは、今の自分の一部をなしている。そこだと思う。2022/03/29

シトリン

4
筑紫哲也がどのようなジャーナリストであったのか、ドキュメンタリータッチの映画を観るような感覚で読み終わった。「筑紫哲也ニュース23」が報道した数々の事件の記述で当時の記憶が迫るように蘇る。関わりがあった人々のエピソードから筑紫哲也氏の人柄が濃密に伝わってくる。またその人々や報道の裏の知らなかった新たな一面を知ったことも興味深い。現実こそがドラマを超えたドラマになっている。ジャーナリストのこのDNAをテレビの世界で残していくことは非常に厳しいものがあろうが、希望を捨てずに応援したい。2022/10/25

sekkey

4
・権力に対する監視の役割を果たす ・少数派であることを恐れない ・多様な意見や立場をなるべく登場させる この3点が筑紫さんが報道に携わる上で譲れない大きな3本の柱 思想の左右は関係ない。今のメディアでこの大前提とも言える基本のキを胸に抱いて報道している方々がどれくらいいるだろう(その矜持を持ち続けている方は今後も応援していきたい)。 我々受け手はニュース・報道の上っ面だけを何の疑いもなく信じ込むようなことはせず、その底・裏にある真のメッセージを読み解く姿勢がより大事になってくる。2022/10/15

古本虫がさまよう

4
北朝鮮拉致関連報道に関しての「総括」はない。拉致を北朝鮮がやったことが判明したあとも、筑紫さんの番組は北朝鮮報道に関しては弱腰で、曽我ひとみさんのご主人ジェンキンスさんへの取材(言論の自由のない北朝鮮でやった)も当局の規制があっただろうに、そういうことには触れないでやっていた。 要はインタビューしても、北朝鮮国内にいてはホンネでしゃべることが不可能なのに、そういうことに触れずに、タテマエ(私は脱走兵です)を言わせて、北朝鮮の情報戦略にのっかかった報道をしていたかと?2022/03/15

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