推しエコノミー 「仮想一等地」が変えるエンタメの未来

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推しエコノミー 「仮想一等地」が変えるエンタメの未来

  • 著者名:中山淳雄【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 日経BP(2021/10発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784296000357

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内容説明

「すべてのエンタメプロデューサーが、今を知るためにまずは読むべき、唯一の教科書」
――佐渡島庸平氏

「メガヒットのルールが変わった。新しいリテラシーを得た者が、地殻変動後の覇権を握る」
――尾原和啓氏

鬼滅、ウマ娘、Fortnite、荒野行動、半沢…
ゲーム、アニメ、動画の経済圏を支配するのは、
世界が絶賛する日本の「オタク経済圏」か、
攻勢を強める米中の「ハリウッド経済圏」か?

◎目次
第1章 メガヒットの裏側で進む地殻変動
第2章 「萌え」から「推し」へ、ファンの変化からみる「風の時代」
第3章 エンタメの地政学
第4章 推しエコノミーの確立へ

「推す」は希少な時間資源の投下によって行われる。基本的には、未来永劫それが続く前提で、有限な時間資源を投じていきたい。『推しが武道館いってくれたら死ぬ』というアニメもあるが、実は推しが武道館にいくことを避けたいと思うファン心理も同時に存在する。(中略)安パイなコンテンツを求める人が増えると、新奇なものが展開されづらくなる。ある程度ブランドがあり、約束されたコンテンツに人々は群がるようになる。大ヒットがさらに大ヒットするという現象は今後さらに強くなるだろう。(中略)浮動ユーザーを味方につけるためにファンが必要であり、インフルエンサーが必要になる。「このコンテンツは安パイだよ。時間を費やしても、その体験は無駄にはならないよ」という信号をブランドとして送る必要がある。(第2章より)

目次

第1章 メガヒットの裏側で進む地殻変動
『鬼滅』が「日本の時代錯誤」に突きつけた刃
フォートナイトが見せつけたゲーム空間によるエンタメ市場の侵食
半沢「劇場」が見せたテレビ業界の未来
オンラインキャバクラが物語るライブエンタメの「むき出しの価値」
産業カテゴリーの大変革

第2章 「萌え」から「推し」へ、ファンの変化からみる「風の時代」
しがらみなく夢中になれる共体験がエンタメになる
タムパ重視で動くユーザーにとっての価値最大化
なぜ必死になってコンテンツを見るのか?
なぜバトルロワイヤルゲームだけが流行るのか?
『ウマ娘』ブーム大爆発が物語る美少女キャラの新ステージ
受信リテラシーから発信リテラシーへ
コナンとシンエヴァ、100億円を創り出す物語

第3章 エンタメの地政学
米中エンタメ覇権競争と日本唯一の挑戦者ソニー
宮崎駿の新作なしで成長するジブリを支える中国の驚異
ハリウッド経済圏とオタク経済圏
戦いの終着点

第4章 推しエコノミーの確立へ
キャラクターと貨幣の類似性
世界観の欧米と、キャラクターの日本
日本のエンタメは誰が救うのか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

徒花

111
まあまあよかった。かつてはアニメやマンガ、アイドルなどに傾倒する人たちをオタクとよび、彼らは「萌え」という言葉を使っていたけれど、それがいまでは「推し」という言葉に変わり、その社会的地位も変化している。そうした日本のカルチャー、エンタメ産業のそもそもの収益構造とか、強いコンテンツの特徴とか、これから世界レベルで見たときに市場がどのように変化していくのか、日本のコンテンツはどうなのかということがマーケティング的視点から語られた一冊。割りと込み入った、ちょいムズの話が多め。2022/05/19

よしたけ

54
正統派のオタクビジネス書籍。媒体主役はTVからネットやゲームに移って久しい。今のTVはリアルタイムで同時に繋がれるツール(例:バルス!ツイート)として価値を保つ。コミックを端として、映画ゲームグッズ等の関連ビジネスを如何に広げられるかが勝負で「鬼滅」ともなると数兆円規模。日本独壇場だったオタク市場も、規模で周りを蹴散らす米中が躍進。著者は、印象派を産んだ浮世絵の巨匠たちを例に挙げ、規模を追わず日本人独特感性で世界をリードしていくべきと熱弁。日本のお家産業がなくなる中、将来有望なエンタメ業界を学ぶのに最適。2022/03/24

なっぱaaua

44
面白かった。エンタメ全体の未来の方向性をファンの変化や日米中といったエンタメをリードする国を地政学の観点も含めて論じている。特にゲームやアニメ、映画など映像の今がよく分かる。丁度「鬼滅の刃」の大ヒットが特徴的で売れる構造が変わってきたのだというのがよく分かった。米中の様に規模では無い中でどうやって日本の長所を活かしてエンタメ業界が戦っていくのかが示唆されている。一番よく理解できたのは、娘が「ジャニーズ」や「坂道」に推しが居て、最近は地下アイドルに推しを作り始めた。~続く~2021/12/03

よっち

43
「萌え」から「推し」へと変容したキャラクターやタレントのファンの行動を基軸に、アニメ・ゲームなどの最新動向を解説、マーケティングの新しい視点を提示する一冊。『鬼滅』が「日本の時代錯誤」に突きつけた刃、半沢「劇場」が見せたテレビ業界の未来などメガヒットの裏側で進む地殻変動を解説しつつ、タムパ重視で動くユーザーの行動変化、『ウマ娘』ブーム大爆発に見る新ステージ、米中エンタメ覇権競争と日本唯一の挑戦者ソニー、そしてハリウッド経済圏とオタク経済圏など、業界の現在地や利益構造などにも触れていて、興味深く読めました。2022/03/26

冬佳彰

24
「推し」って言葉自体があんまり好きな感じではなく(老化)、現象として理解していない部分もあった。本書のピンク装丁もあまり好みではなかったが、いや、読んで良かった。「ははあ、そういうことになってるんだな!」と納得した。エンターテイメント業界の世界的な動向、その中での日本の過去~現在~未来(コロナ期含む)のあり方を、いたって真面目に分析、提言した本だった。俺がほとんど興味がないオンラインゲームって、こんなことになっていて、こんな経済圏、コミュニティ、競争が成立してるんだな。(続く)2022/03/31

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