地域批評シリーズ<br> これでいいのか富山県

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地域批評シリーズ
これでいいのか富山県

  • ISBN:9784896379716

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内容説明

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全国の人が思い浮かべる富山県のイメージとは何だろう?
通な人なら「薬売り」「蜃気楼」、一般的には「富山湾」といったあたりだろうか。

いずれにしろ富山県には「これ!」といったウリやインパクトが無く、全体的にパッとせず地味な県という印象が強い。だがその一方で「住みやすい」という、傍目から見ただけではわからない強味もある。

富山県は同じ北陸の福井県、石川県と並んで「幸福県」のひとつに数えられている。幸福県とはいわば「恵まれた自然環境の下、住居・労働・教育などの都市機能が整備されている県」のことを指す。富山県は、立山連峰や富山湾な どの豊かな自然環境があり、水が豊富で食べ物が美味い、災害が少ない、交通インフラが整備されている、土地が安くて持ち家比率が高い(全国トップクラス!)などなど、その居心地の良さには確かに太鼓判を押せる。

ただ、幸福県だからといって富山県が発展しているわけではないのがミソ、だったが、2015年の北陸新幹線開業で風向きも変わってきた。
富山県は外部から多くの人や企業を受け入れることになったのだ。だが、コンパクトシティの流れが加速している富山市は、富山駅前に続々とホテルが建設され、観光客も多く勢いも感じるが、中心市街地の総曲輪はその波に乗り切れていない印象。
高岡は新幹線駅である新高岡駅と、高岡駅を玄関口とする旧市街地の連携不足のせいで衰退を余儀なくされている。さらに県の二大都市以外の街は、どこもかしこも古いままであまり変わり映えがしない。余計なお世話だろうが、時代に合わせて変えるべきところは変えないと、廃れていくばかりだろう。
そんな富山県に気になるニュースも飛び込んできた。あるインターネット調査の幸福度ランキング(2019年)で、いつも上位の富山県の順位が意外なほど低かったのだ(23位)。

本書は先の新幹線効果の現状や、呉東と呉西それぞれの問題点を通して、幸福県・富山県の実情を炙り出していく。是非最後までお付き合い願いたい。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジンベエ親分

39
ムック版で最初に出た本、文庫版、そして今回の新しい文庫版、すべて買ってる(笑) 毎回かなりの部分を再取材によって改訂、追加記事を入れてくるという、大変手間暇のかかった本で、毎度のことながら豊富な統計データの引用とその分析、さらに現地取材による所感が非常にツボに入っていて的確。いい仕事してるなぁ、と実感する。多少版の重ね方に偏りはあるが、全国の都道府県や大都市の「これでいいのか」がシリーズ化されているので、県外にツーリングや旅行で訪れた時に書店で見かけるとつい買ってしまう。うん、富山県、良いところだよ。2020/02/05

K.C.

4
前の住まいでもこのシリーズは読んだ。転勤して間もなく1年、富山県に関する本は数冊読んだが、県外の人による客観的な評価は初めてかも。歴史にもあたり、相応の分析。的確な指摘に首肯する点も多く、県内行政関係者は必読かも。2020/02/15

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