岩波ジュニア新書<br> お菓子でたどるフランス史

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岩波ジュニア新書
お菓子でたどるフランス史

  • 著者名:池上俊一
  • 価格 ¥1,012(本体¥920)
  • 岩波書店(2021/09発売)
  • 盛夏を彩る!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~7/28)
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  • ISBN:9784005007578

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内容説明

世界一の国になるには,素敵なお菓子が欠かせない!と考え,その甘い武器を磨いてきた国,フランス.ジャンヌ・ダルクやマリー・アントワネットが食べたのはどんなお菓子? 歴史を変えた伝説のパティシエとは? あの文豪もスイーツ男子だった? お菓子の由来も盛りだくさん! 歴史もしっかり学べる,華麗であま~いフランス史.

目次

序 章 お菓子とフランスの深い関係┴フランス菓子が世界一?/お菓子という「余分なもの」/誰にでも手に入る「宝石」/お菓子という武器/ケルト人と古代のお菓子/中世初期のフランク人/フランスを統合する「精髄」/受け容れ,同化させる国/文化立国を支える力┴第1章 キリスト教信仰と中世の素朴なお菓子┴お菓子の衰退と復活/キリスト教とお菓子/修道院の役割/髪と人をつなぐお菓子/エウロギアとウーブリの広まり/呼び売りの活躍/カペー朝のはじまり/封建制と三身分/王のもつ権威/十字軍とお菓子の材料/貴族たちの愛した砂糖漬け/パン・デピス/焼き菓子のいろいろ/農業の発達と都市の成長/王権の強化とパリの発展/ジャンヌ・ダルクの生い立ち/田舎娘のお菓子/三つのお祭りとお菓子/クリスマスのお菓子┴第2章 略取の名手フランス┴フランスが外に開いた時代/サトウキビと十字軍/大航海時代の砂糖栽培/百年戦争後のフランス/戦争がもたらしたイタリア文化/ヴァロワ朝の婚姻関係/カトリーヌ・ド・メディシスとイタリアのお菓子/アイスクリームの到来/秘密のチョコレート/チョコレート菓子の広まり/宗教戦争の時代/カトリックと美食┴第3章 絶対王政の華麗なるデザート┴絶対王政と司法/パリの発展とヴェルサイユ/フランス人はグルメじゃない?/国家戦略としてのフランス料理/ルイ一四世の絶対王権/外交と財政/砂糖帝国の成立/砂糖をめぐる争い/コーヒーと砂糖の出会い/砂糖の消費の増大/砂糖のその後/クリームいろいろ/弱き女性とお菓子/サブレ夫人/チョコレートと女性/繊細な時代の美しい食べ物/寵姫モンテスパン夫人の努力/ポンパドゥール夫人と王妃マリーの食べ物抗争/ポンパドゥール夫人の魅力/マリー・アントワネットが愛した菓子クグロフ/光の世紀┴第4章 革命が生んだ綺羅(きら)星(ぼし)のごとき菓子職人┴王権のかげり/ブルジョワと民衆の不満/バスティーユ事件から立憲君主制へ/共和政の開始とロベスピエールの独裁/フランス革命の意義/レストランの発展/有名パティシエとお菓子店の登場/ナポレオンの業績/栄光を描いた菓子職人ルボー/アントナン・カレームのピエス・モンテ/お菓子と建築の関係/タレーランとの出会い/歴史を動かすデザート/カレームのその後/ボヴァリー夫人のウェディングケーキ/シャルロットとブラン・マンジェ/フランス菓子いろいろ┴第5章 ブルジョワの快楽┴復古王政/七月王政/ナポレオン三世の政治/産業革命と階級社会/ブルジョワたちの食生活/プチフールの楽しみ/サロンの繁栄/パリの輝きと中央市場/フラヌール(散策者)の出現/知識人たちのパリ散歩/美食家グリモのグルメガイド/ブリヤ=サヴァランとデュマ/カフェ・ド・フォワとル・プロコープ/カフェという楽園/パサージュと菓子店/乗合馬車の登場と鉄道の敷設/パリに集まる名産品/プルーストとマドレーヌ売り┴第6章 フランスの現代とお菓子┴第三共和政とフェリーの改革/二つの大戦/戦時中の菓子とウェディングケーキ/戦後のフランス/技術革新とお菓子/ムースの舌ざわり/フランス人パティシエの時代 エスコフィエとルノートル/フランスとお菓子の未来┴あとがき┴フランス史年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

51
イタリア由来のもの、植民地原産の果物や砂糖を使ったもの、いろいろな経路でフランスに入り、もともとあったお菓子と融合して発展したスイーツ。外交上の武器となったこともあったようだ。歴史と絡めてあって楽しく読めた。2016/07/16

ホークス

49
「人のよいイタリアから受けた数々の恩義を忘れて涼しい顔をしている」「世界中がフランス美食神話にたぶらかされ続けている」とフランスを評する。揶揄ではなく、上手くやってるなという皮肉と賞賛。『パスタでたどるイタリア史』同様、ポジとネガをより合わせる語りが上手い。夢と幸福が似合うお菓子と悲惨な人間の歴史。お菓子の世界を変えた砂糖も、奴隷の苦しみと引き換えだった。誰もが悲惨に加担する図式は今も続く。せめてもの慰めである料理やお菓子をフランスは芸術という武器にした。日本にもチャンスは十分ありそうだ。2019/12/01

コジ

34
素朴なパン菓子から始まったフランスの菓子文化。中世に入り王族や貴族の国際結婚で国内に持ち込まれた外国の食文化を取り入れ、応用と発展を繰り返した後に食卓芸術と呼ばれる程になる。16世紀からの砂糖菓子の時代。その後、チョコーレート、生クリームと今日のフランス菓子を構成する要素が揃っていく。それまで貴族たちの元で発展していった菓子が大衆への広がる切欠となったのはフランス革命。歴史上の重要人物、事件と菓子が関わる機会はそう多くは無いが、稀に関わる機会があるとフランスの菓子文化が大きく発展する点は興味湧いた。2016/08/08

sasara

27
東大大学院教授池上俊一著 岩波ジュニア新書 生きるためには不可欠ではないのに生活に甘美なうるおいを与え幸せを与える不思議な食べ物たち。おフランスで発展し国家戦略としてどのように利用したかがよくわかります。ゴーフル、ドラジェ、ビュッシュドノエル、マカロン、クグロフ、シャルロット、マドレーヌ、サヴァン、ブランマンジェ、ルリジュース、タルト・タタン、ミルフィーユなどほとんど食べたことないですがどれも優美な響きでおじさんも憧れます(笑) 2021/04/07

aisu

25
フランス史の勉強になった。と言ってもページ数に限りがあるので、私の脳内で、かつて読んだマンガや、イタリアや西洋美術から得た知識で補完しながら。お菓子の歴史の方が説明が詳しいかな。お菓子、食べたくなってくる〜ゴクリ2016/06/25

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