聖地の条件 神社のはじまりと日本列島10万年史

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聖地の条件 神社のはじまりと日本列島10万年史

  • 著者名:蒲池明弘【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 双葉社(2021/09発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784575316421

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内容説明

神社は神道よりも先にあった。出雲、熊野、伊勢、諏訪――交通の要衝ではなかったり、都から離れていたりする場所になぜ巨大な信仰圏があるのか。古代の勢力圏と神話、および朱やメノウ、黒曜石、翡翠などの産地(火山地帯)との関係を研究してきた著者が現地に赴いて見て感じたこと。また、数多くの文献を渉猟して得た、自説を補強する卓見の数々を文中で紹介。目下の定説では日本にホモサピエンスが暮らし始めたのはおよそ4万年前とされているが、出雲の砂原遺跡の12万年前の地層から石器が見つかるなど、新しい地平も見え始めている。宝玉(鉱石)、温泉、噴火、断層、神話――様々な角度からロマンある古代史の世界に大胆に斬り込む一冊。読めば納得!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tamami

55
本書を読み進めていく途中で、著者に『火山で読み解く古事記の謎』という本があることに気がついた。発想が通底する部分があるが、今回はよりスケールを大きく取り、古事記以前の聖地=神社の始原を話題にしている。出雲、熊野、諏訪、伊勢と挙げられる中、私的には「諏訪」に最も引かれる。といっても本書の眼目は、それぞれの聖地が単独に存在しているのではなく、地史学的な規模で展開された列島の成因や火山活動、その結果生じた貴重な岩石や温泉といったものに焦点が当てられ、何故あの神社がここに、という著者の仮説が、学際的な探求により→2021/08/23

kk

18
出雲大社や熊野などを中心に、神社信仰の起源を立地の地学的な条件から探っていこうという野心的な試み。キーワードは、火山、断層、温泉、黒曜石、縄文海進など。宗教民族学とブラタモリをくっつき合わせて掻き回したような一冊。極めてユニークな視点と丁寧な語り口がナイスです。欲を申せば、写真よりも地図を充実してもらえたら、もっと嬉しいかもです。2022/06/03

やぎママ

8
NHKブラタモリで今年8月21日放送された「諏訪〜なぜ人々は諏訪を目指すのか?〜」で諏訪大社、縄文採掘跡、糸魚川―静岡構造線と中央構造線などの話が面白かったので、本書の第一章「諏訪」で、そう!これこれ!と食いついてしまった~他にも出雲、熊野、伊勢などがなぜ聖地となったのか、神話、玉(鉱石)、温泉、噴火、断層などとの関りから古代史の世界を解き明かしてくれた著者の熱い想いに、こちらまで胸アツになりました。 2021/09/23

3
(202108,175)私の愛する熊野、そして前暮らしていた諏訪地域、立ったからこそ聖地と言える(出雲も行かなくては)。黒曜石の産地であり、息子は小学校の時に「縄文時代、茅野が日本の首都だった」と自由研究で書いた。文中、テスカトリポカ神にも言及しているが、これも黒曜石だったのか、と知る。となると、諏訪大社上社前宮、御頭祭の前身(タケミナカタ侵攻の前神)としてのミシャグジ信仰では、子供を生贄にする儀式があり、これがアステカ儀式と酷似では?と閃いてしまった。とにかく、考えれば考えるほど、おもしろくなってくる。2022/04/26

あきひと

3
10万年前 旧石器時代の遺跡、1500万年の日本列島の歴史から始まり、難しい本だなと思いつつ読み進めていくと、徐々に出雲大社、熊野大社、諏訪大社といった古い神社がそこに存在する訳がハッキリとしてきて止まらなくなった。 中央構造線、糸静構造線が交差する諏訪には石器素材として最も重要な黒曜石が取れ、構造線に沿って延びる道、人が暮らしやすいための温泉があり、出雲も熊野も同様な要素が存在するという事実から神社の始まりを推考している。目から鱗の分析も多数あり非常に面白かった。2022/02/09

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