内容説明
僕らは失敗作じゃない。社会がまだ、未完成なんだ――
幼少期のいじめ、学生時代の失恋と嫉妬、想い人との苦しい共同生活……。「運命の人」には出会えるのか。ゲイの青年の愛と青春の賦。
※この電子書籍は2019年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きむこ
70
ゲイであることを自分自身で認めるまでの葛藤、周りに知られる事の恐怖、未来への絶望、今までの恋愛を綴った自叙伝。ちょっと赤裸々すぎて読みづらさもあった。ここ最近LGBTへの理解と認識が進んできているなと感じることが多く、私自身の意識もものすごく変わったと思う。彼のように周りから受け入れられることによって力をもらっている人は少数派で、まだまだ隠そうとしている人の方が多い。日本は性的マイノリティの法整備は「先進国ワースト2位」らしい。日本ももっと自由にもっと堂々と皆が生きれる国になって欲しい。★3.52023/04/16
Urso
9
みんな違ってみんな良い、っていう社会に少しはなってきてるのかな。書かれていることが赤裸々だからこそリアルで、性的マイノリティーとして苦しんでる人たちへ応援とか助け舟とかのような形で届くといいな。2023/05/11
こばゆみ
8
同性愛者の赤裸々なエッセイ集。文体は軽いからすいすい読めるけど、ところどころで「こりゃ(周りの反応が)ひどい…」と読むスピードが落ちる箇所が何個か。「人の振り見て我が振り直せ」という言葉があるけれど、この本読めば同性愛者に対する無意識な偏見を悔い改める人が絶対いるはずだと思った。2021/10/23
はらいどけい
0
とても爽やかに書かれているけど、すごく生き辛くて大変な思いで過ごしてきたんだろうな。同性愛者も異性愛者もそうじゃない人もワンパターンじゃない。いろんなタイプがいる。人と違う自分は受け入れづらいけど、「自分だけは自分の味方でいるべきだ。」「あなたが、誰より、幸せにならなくちゃいけない。」素敵なメッセージだった。2022/10/13
折木蜂太郎
0
同性愛者への偏見はおそらく自分も、少なからず持っていると思う。今でこそ様々なことが認められているが、まだ根強い偏見もあると思う。多くの人が住みやすい世の中になっていけばいいと心から思う。 子供のときからの葛藤や悩みが、とても分かりやすく、読みやすかった。 気になったのは、著者の学生時代の言動である。 授業をサボり、酒を飲み、かなり多くの大人に迷惑をかけていると思う。 学校の先生について、批判的な内容もあったが、逆に多くの迷惑をかけていることも自覚した方がいい。 まぁなによりもいい友達に出会えてよかった。