内容説明
『罪と獏』『だいだ赤おに』『ぱしれメロス』……。きりえやパロディで、名著をもっと楽しく!
国内外の名著のタイトルをもじり、まったく新しい物語として作り替えた本、偽本。きりえや高木亮が制作し続けてきた偽本ブックカバーの書籍化。もともとのファンはもちろん、文学史を学ぶ学生さんや文学通の方まで、より多くの方にパロディを通して名作のおもしろさに触れていただきたい。
ブックガイドとしての機能を果たすため、各章末には原作を読みたい人のために原作本のあらすじと書誌情報も掲載。
【著者】
高木亮
きりえ画家。1971年香川県生まれ。 大学在学中独学にてきりえ制作を開始。のち「きりえや」を名乗る。
単著として『ねこ切り絵』『12か月のねこ切り絵』(誠文堂新光社)などがある他、満寿屋ノート「MONOKAKI」デザインや音楽教科書(令和2年度版・小学3年生)に作品が掲載される等、幅広く活躍中。
2008年から「偽本シリーズ」制作開始、大学図書館や書店でおこなってきた「偽本展」は10回に及ぶ。
ホームページ http://kirieya.com/wp2/
目次
海外文学
その1 ロシア文学
その2 イギリス文学
その3 フランス文学
その4 ドイツ文学
その5 アメリカ文学
その6 海外その他
越境文学
その1 ぼくの叔父さん/タイ人
その2 風呂文学
日本文学
その1 説話・紀行
その2 明治~大正
その3 昭和
おまけ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
101
「ぱしれメロス」で大爆笑。「だいだ赤おに」も好き。たのむぞ!と期待したい。「罪と獏」何をした? 「アンナ、カレーにな…」何を入れたんだ? 「長靴をかいだ猫」嗅ぐんじゃない! など、帯のツッコミも、ものすごく面白すぎる。 笑った。 生徒に「面白い本ありますか?」と聞かれることがよくある。 感動する本?と聞き頷く生徒には感動する本を紹介するけど、 笑える本?と聞いて頷く生徒には これを紹介したい。2022/07/27
pohcho
55
きりえ画家さんによる名作文学パロディブックカバー作品集。冒頭の「罪と漠」(罪と罰)牢屋に入っている漠は一体何をしたのか。「リチャードさんせい」(三世)は、学校机に座った王様が手を挙げてる。「人形の家」は「任侠の家」、「赤毛のアン」は忍者赤影!「星の叔父さま」(王子様)に「伊豆のホドリゴ」(踊り子)。「蟹光線」は蟹がビーム出してるし、「だいだ赤おに」は鬼の代打?もうずっと笑いながら読んでいた。あー楽しかった。偽本のあらすじも面白かった。きりえもすごい。2022/12/16
活字の旅遊人
49
令和三年十一月二日の日本経済新聞朝刊文化面で知った一冊。切り絵画家さんの「偽本ブックカバー」。タイトルだけでなく、ストーリーも練られている。そしてもちろん、内容に即した切り絵が素晴らしい。十年以上前から続けられていたそうで、感服です。思いついたところを詳細に作っているようなので途切れる話もあるのだけど、コアなファンが繋げてしまいそうだよね。ブックカバーとしてぜひ欲しいのは、「長靴をかいだ猫」「母をたずねて三千人」「浦島だろう?」「大きなこぶ」。「王子と叔父貴」以降の叔父さんシリーズも楽しい。2021/11/08
ともこ
37
あまりにも辛いニュースの多い年明け。読みかけの本は後回しに、名作文学パロディーでしばし笑おう。「罪と獏」「カラマーゾフの正体」「ジキル博士と毎年」「美女と柳生」「長靴をかいだ猫」「ぱしれメロス」「おおかみと七ひきのおやじ」「エデンの干菓子」「トム・ソーヤの猛犬」「母をたずねて三千人」「ニルスの不思議な足袋」「やもめのジョナさん」「星の叔父さま」「ぼくの細道」「金色打者」「ぽっちゃん」「不美人そう」「だいだ赤おに」「ヒルマの賭事」「人間ひっかく」よくもまぁバカげたことを!ああ!おもしろかった!2024/01/06
すい
34
切り絵作家さんが世界の名作のパロディ本の表紙を作ってみたら・・・。こんな面白い本ができてしまうんだなぁ。これはもう、興味を持ってもらえた方は実際に手に取って見てもらうしかない本です。2023/02/15