わたしのいないテーブルで

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わたしのいないテーブルで

  • 著者名:丸山正樹【著】
  • 価格 ¥1,699(本体¥1,545)
  • 東京創元社(2021/08発売)
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  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488028480

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内容説明

コロナ禍の2020年春、手話通訳士の荒井尚人の家庭も様々な影響を被っていた。刑事である妻・みゆきは感染の危険にさらされながら勤務せざるを得ず、一方の荒井は休校、休園となった二人の娘の面倒を見るため手話通訳の仕事もできない。そんな中、旧知のNPOから、ある事件の被告人の支援チームへの協力依頼が来る。女性ろう者が、口論の末に実母を包丁で刺した傷害事件。聴者である母親との間にいったい何が? “家庭でのろう者の孤独”をテーマに描く、シリーズ最新作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

旅するランナー

271
デフ·ヴォイス④。「2020年春から秋にかけてのコロナ禍の下、ろう者と荒井家に起きた出来事をドキュメント風に描いてゆく」と、あとがきに作者が書いています。あの頃を思い出しながら読んでゆきます。そして、ディナーテーブル症候群。この言葉は知りませんでした。気持ちのつながりや家族のつながりの大切さ。これはコミュニケーション不足の一般家庭にとっても課題となる普遍的なお話ではないかと感じます。学びの多い、このシリーズが続いてゆくことを願います。2022/04/19

しんたろー

249
シリーズ第4弾は、昨年からのコロナ禍をドキュメント風に織り込んで、荒井の活動を通じて聴覚障碍者の悲哀を丁寧に描いている。このシリーズからは教えられる事が多く、相手の気持ちを慮る大切さ、障碍による不便さを想像する機会を貰えて、自分の思慮の足りなさや普段の無関心さを反省するばかり......そして重いテーマながらも「愛」を込めた物語を届けてくれる丸山さんに感謝の気持ちになる。障碍者の台詞の中に「生きるために必要なのは『自尊心』」とあったが、色々と考えさせられた。何かと大変だろうが、出来る限り続けて欲しい良作。2021/11/05

いつでも母さん

224
〈聴こえない子供で、ごめんなさい〉そんなことを子供に思わせる親であってはならない。ディナーテーブル症候群そんな社会であってはならない。シリーズ第4弾は切なくて苦しくて何度もページを捲る手が止まった。相変わらず私はろうあ者とその家族の抱える問題に、わが身を省みて無知の域を超えていないと頭を殴られた気がした。一つの事件から見える親子のすれ違う心模様。発する言葉だけが会話のツールではないのだ。荒井家もまた子供の成長につれ正解の無い問題が露呈して、私の中に不安が波紋の様に広がる。これはもう早急に続きが読みたい。2021/10/05

ひさか

193
しんぶん赤旗2021年2月21日〜8月6日掲載のものを2021年8月東京創元社から刊行。デフ・ヴォイスシリーズ4作目。長編。ディナーテーブル症候群という聴覚障碍者が疎外感を感じる現象からきたタイトルになっていて、荒井がかかわる事件のキーに…。事件も難しいですが、荒井家も難しい時期のようで大変さが伝わってきます。がんばれ荒井さん!。2021/11/14

みっちゃん

191
〈聴こえない子どもでごめんなさい〉何て悲しい言葉だろう。どんな子であっても、親にとってその存在は唯一無二のものであり、愛してやまないものだ。が、その幸せを願うあまり、到底不可能な事までも大多数の人達に近づけようと強いてしまうとしたら、それはその子には苦痛でしかない。自らを「損なわれた子」と感じ、自分独りだけ「家族であって家族じゃない」その疎外感と孤独たるや、いかばかりか。人として生きていくのに一番大切なものは「自尊心だ」その言葉に深く頷きながら、目の前にいるひとの心をおもんばかる事の難しさを思う。2021/12/09

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