日経ビジネス人文庫<br> 経済学の宇宙

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日経ビジネス人文庫
経済学の宇宙

  • 著者名:岩井克人【著】/前田裕之【ほか著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 日経BP(2021/08発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784532240042

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内容説明

※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

●戦後世代の経済学者が綴る知の軌跡
 マルクスに感銘を受けて東大経済学部へ進学した青年が小宮隆太郎、宇沢弘文と出会い経済学に目ざめ、MITへ留学、サミュエルソン、アローなど世界の知に触れる――。戦後日本の歴史とともに生きてきた日本を代表する経済学者、岩井克人。本書は、その遍歴と自分の頭脳の中身を明らかにする「知の履歴書」です。
 出世作である「不均衡動学」はどのようにして誕生したのか、「貨幣論」はどのような発想で臨んだのか、マクロ経済学者であった著者がなぜ企業論に注目したのかなど、今まで本人が明確に語ってこなかった岩井ワールドの全貌が明らかになる岩井経済学ガイドでもあります。
 本書は、不均衡動学、貨幣論などそれぞれ一冊分の解説が可能な多岐にわたる岩井経済学の世界をことばを尽くして解説を行っているため、岩井経済学ガイドにもなっている。今まで岩井氏の著作は思索的で難解と思ってきた人々にも読者が広がることが期待できます。
 文庫化にあたり、新たに「補遺 『不均衡動学』の現代版に挑む」を掲載。過去40年間のマクロ経済学の有り様と、自身の『不均衡動学』の現代版に取り組む背景を語ります。

目次

文庫版の刊行にあたって
まえがき
第一章 生い立ち--「図鑑」から経済学へ
第二章 MIT留学--学者人生における早すぎた「頂点」
第三章 エール大学--『不均衡動学』を書く
第四章 帰国--「シュンペーター経済動学」から「資本主義論」へ
第五章 日本語で考える--『ヴェニスの商人の資本論』から『貨幣論』へ
第六章 再び米国へ--「日本経済論」から「法人論」へ
第七章 東京とシエナの間で--「会社統治」論から「信任」論へ
第八章 残された時間--「経済学史」講義からアリストテレスを経て「言語・法・貨幣」論に
補遺 『不均衡動学』の現代版に挑む
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Sam

46
文庫版が出たので再読。一言でいえば岩井克人版「私の履歴書」である。面白いことこのうえないのだが、内容は不均衡動学から法人論、信任論といった岩井先生の主たる学説に加え、生い立ちや日米伊での学究生活や交流、奥さま(作家の水村美苗)のこと、哲学や科学、映画論等々、まさに「履歴書」と呼ぶに相応しい多くのことが実直に語られている。ご本人は謙虚にも学者としては早々に「没落」したと仰るが、むしろ「進化」(あるいは「突然変異」?)とでもいうべきものであり、経済学の枠を超えたその学説が正当に評価される日がいずれ来ると思う。2021/08/12

ばんだねいっぺい

27
最後まで読むと本書がなぜ「経済学の宇宙」と名付けられたかが腑に落ちる。反復する蚊柱のような現象を統一した理論に落とすことは、他分野の科学同様、一筋縄ではいかない。最終的に古典的命題に還っていくのが面白い。自己契約の話は差し込みがあった。2024/03/22

またの名

7
計算してみたら基本中の基本なはずの需要と供給の均衡というセー法則が崩壊し、矛盾を前に悩み続け「矛盾に見えたことこそ証明された命題に他ならない」と転換させ、不均衡な世界として経済を描き直した著者。各々の理論体系が前提にしてる枠組みを受け入れた上でそれを展開すると自己破綻するという論証方法や、貨幣が貨幣として使われるのは貨幣として使われるからという自己循環の論法を好む学問的思考を、ノーベル賞級の経済学者とも目されたりした人生行路に沿って語る。数々の岩井理論をラフに学べるのみならず、経済学の全体像も掴める構成。2022/11/24

Hiroki Nishizumi

4
いやぁ読みごたえがあった。そして面白かった。無限の部屋を持つホテルから貨幣論への昇華、資本主義の真の危機とは、法人について、信任論の展開など内容が濃く消化しきれない。それでも再読を繰り返してモノにしたい。2024/01/01

しんたろ

2
岩井氏の半生にそってその学問を明らかにする/単純に学術的な説明なだけでなく、その思想の部分や時系列の出来事を含んでいるので、学問がよりリアリティをもって感じる/資本主義が本質的に倫理を核に備えていること。…会社(法人)と経営者を分離し自己循環的に規定していること/日本企業は株主主権ではなく昔から持ち株会社を利用した人本主義的であったこと/ビジネスの世界でなんとなく言われていることを学術的に言及されているところが痺れる。まだまだ理解できないところが多いが修行して帰ってきたい2022/05/06

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