メディアと感情の政治学

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メディアと感情の政治学

  • ISBN:9784326351800

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内容説明

ポピュリスト政治家がソーシャルメディアを通じてあおる「怒り」、災害報道に私たちが寄せる「共感」。メディアを通じて喚起され、共有される感情をどうとらえればいいのか。記者が取材する中で行う感情労働から、SNSが気づかぬうちに私たちの感情を管理するメカニズムまで、新たな視点でメディアと感情の関係に斬り込む。

目次

日本語版への序文
謝辞

序章 メディア化された公的生活における感情を理解する
 感情文化の変容?
 感情の定義
 感情の分析をより意味のあるものにするために
 本書の構成

第1章 感情を重視する──感情をめぐる思想の変遷
 政治的生活における感情の軽視──合理性の称揚
 情動論的転回
 メディア政治における感情の研究
 感情とジャーナリズム
 結論

第2章 遍在する感情──ジャーナリズムにおける感情をめぐる戦略的儀礼
 戦略的儀礼としての客観性
 ジャーナリズムにおける感情の位置づけを理解する
 感情をめぐる戦略的儀礼の研究
 感情をめぐる戦略的儀礼を記述する
 ジャーナリズム、感情知能、感情労働
 結論

第3章 真正性、共感、そして個人による語り
 個人による語りが持つ真正性
 感情面で普通であることは政治的生活における真正性の証しとなる
 感情、真正性、個人による語り
 共感、そして個人による語り
 結論

第4章 メディアを介した怒りの類型化に向けて
 公的言説の中の怒り
 メディアを介した怒りをめぐる類型論の展開
 抗議活動の報道におけるメディアを介した怒りの研究
 メディアを介した怒りを解釈する
 結論

第5章 感情のレジームの変容──ドナルド・トランプ 怒りのポピュリズム
 ポピュリズムと政治的怒りの理論化
 感情のレジームの変容と怒りのポピュリズム
 怒りのポピュリズムの台頭の研究
 怒りのトランプ大統領 就任一〇〇日
 結論

第6章 愛情の政治学──政治的ファンダムと社会の変革
 ファンダムと政治
 ミリファンダムと若者による投票の活性化
 レディットのトランプファン、そして政治的コミュニティの創造
 結論

第7章 感情をめぐるソーシャルメディアのアーキテクチャ
 仮想世界における感情的生
 感情労働の商品化──肯定的で向社会的な表現の促進
 感情をめぐるアーキテクチャと公的議論──フェイスブックにおける絵文字のリアクションの歴史
 結論

終章 感情・メディア・政治に関する九つの命題

原注
訳者あとがき
文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒナコ

12
近代における公共的コミュニケーションは、感情が抑制された理性的なものとして規範化されていた。しかし、現実として、政治的なコミュニケーションにおいて感情が果たす役割は、想定されているよりも大きいのである。本書は、メディアを通じて行われる政治的なコミュニケーションにおいて、近年、いかに感情が大きなウエイトを占めるようになってきたのかを、実証的に解説している。→2022/03/11

さく

4
合理性と相反すると考えられ,政治から排除されてきた感情は,今日重要な役割を担っていると注目されている。中でも「怒り」は,運動を左右する中核的な感情として機能していることが判明した。また,ソーシャルメディア下において政治に対する感情の影響力が大きくなっていることを加味し,今後は感情や,感情と政治との相互作用を考慮の対象とし,分析することが重要であると指摘する。2023/09/23

cijimachang

0
「フレンドリーな世界症候群」2022/09/22

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