内容説明
――10年前の私なら、「ユニコーン系男子」と出会えなかった自分の運命を呪いつつ、それまで通りに生きていたでしょう。
もちろん、世界の人口の半分を占める女性のパワーや、家父長制に立ち向かう効果的な方法を知ってしまった今は違います。
女性が諦め、それまで通りに生きようと思うことこそ、男性中心社会の望むところです。（「日本の読者のみなさんへ」より）
生きづらい男性社会の中でキャリアや夢を実現したい女性たちから支持され、
韓国では発売3カ月で５刷を記録。
ニューヨーク・タイムズにも紹介されたフェミニズム空間「ウルフソーシャルクラブ」運営者の著者による、等身大のフェミニズム・エッセイ。
広告業界の第一線で20、30代を送った著者は、40代で＃MeToo運動の波を被って初めて、これまでの自分に疑問を持ちます。
『セックス・アンド・ザ・シティ』を地でいくバリキャリのつもりだったけれど、全く自由でなかったのではないか……。
仕事をしていく中で、社会への疑問や憤りが高まっていきます。
2021年4月には「女性の党」の党首としてソウル市長選にも立候補。
落選したものの4位に入る。コピーライターであり、
ブックカフェのオーナーを務める著者が、自らの経験をもとに発信します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな（灯れ松明の火）
78
最後の章「オオカミ女の為に」で数年前、父に「レイプドラッグに気を付けろ」と忠告された時に強烈な違和感を覚えた事を思い出した。だって学生時代に父は私の身体と頭脳が反比例している言葉を何度も揶揄してきたからだ。本書を読んでいて様々な事に違和感（職探しの面接中に「彼氏と同棲しているか」と訊かれる、お茶汲みは女の仕事扱いなど）を抱きながらも社会（特に男性優位の）にそぐう女性像になっていた自分に「楽だから」と流される自分を自覚して奥歯を噛み締めた。作者のカフェの名前はダブル・ミーニングだったのか！2021/11/16
ネギっ子gen
58
【伝えるべきことは伝えなくては】広告業界の第一線で働いていたが、40代で＃MeToo運動の波を被ったことで、自身の在り方に疑問を持つ。『セックス・アンド・ザ・シティ』を地でいくバリキャリのつもりでも、まったく自由でなかった、と……。フェミニズムを語り合えるカフェ「ウルフソーシャルクラブ」運営者によるフェミニズム・エッセイ。＜生まれてこのかた自分はずっと「家父長制依存症」を患ってきて、あいかわらず中毒状態だということ。いま私はリハビリの一環でこの文章を書いている＞と。赤裸々で直截な表現が清々しい、推薦本。⇒2023/07/06
とよぽん
54
今、韓国の女性は、着実にそして熱く連帯しつつある。著者いわく「SNSの利点の一つは、これまで切り離され、声なきものとされてきた女性、マイノリティ、弱者の声をつないでくれることだ。」また「企業の女性役員クオーター制を法制化する」必要があると。それは、公的な関係を私的な交流で埋め尽くすことが男性連帯のコアだった。・・・会社の重要な決定は、実は社外で、勤務時間外に下されるから。とにかく終始熱く全ての女性の当たり前の権利を追求する１冊で、イ・ミンギョンさんの「推薦のことば」も良かった。2021/08/22
ケディーボーイ
45
フェミニズム思想を持ってる人の中でも抜け出せていないことが多いルッキズムの問題を艱難辛苦の末克服してるように思える。 経験し、後悔し、それが男の作った基準であることを認識する。 「自分が選んだこと、自分の欲望と思いこんでいる全てを疑うことが第一段階だ。それなくしては家父長制からの独立に成功できない」 優秀なコピーライターとしての仕事への取り組み方や独立についても勉強になる。 仕事ができるクールなフェミニストに立ち止まらず（むしろそんな自分を批判して）思想と実践を同時並行的に行っている人に思える。2022/10/19
ヘジン
21
日本経済の停滞も、格差拡大も、少子化も、根っこは全部この本に書かれていることが原因なんじゃないかな。エゴ剥き出しで自分の取り分に執着し、さらにはパイを手にする権利がある人達の分までむさぼり食っているのは強欲以外の何ものでもない。パイを奪還するために連帯しよう。2022/07/28
