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内容説明
「読書は格闘技」という考え方に立つと、「良書」の定義も変わってくる。普通、良書というと、書いてあることが正しいものであり、正しい考え方であると思われる。しかしながら、書いてあることに賛成できなくても、それが批判するに値するほど、一つの立場として主張、根拠が伴っていれば、それは良書と言える。私は筋金入りの資本主義者であるが、そうした立場からしてもマルクスは読むに値する「良書」と言えるのだ──心をつかむ、組織論、グローバリゼーション、時間管理術、どこに住むか、才能、マーケティング、未来、正義、国語教育の文学等々、今を生き抜くために知っておくべきテーマについて、立場の異なる「良書」を能動的に読み、自らの考えを新たに形成していく。格闘技としての読書体験を通じた、実践的な力が身に付く読書術とは何か。各テーマにおける必読の推奨ブックリストも収録。
目次
Round 0 イントロダクション
Round 1 心をつかむ
Round 2 組織論
Round 3 グローバリゼーション
Round 4 時間管理術
Round 5 どこに住むか
Round 6 才能
Round 7 大勢の考えを変える(マーケティング)
Round 8 未来
Round 9 正義
Round 10 教養小説――大人になるということ
Round 11 国語教育の文学
Round 12 児童文学
読書は感想戦――あとがきにかえて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
94
若くして亡くなられた瀧本さんの読書案内です。イントロを含めて13の分野で解説してくれています。最初に2つの本を取り上げ解説をしてくれて最後に関連本として6冊紹介されています。私が読んだ本もかなりあるもののこの方の思想の系譜などが知れて参考になりました。2021/05/27
ぐっち
22
西炯子さんの漫画で「本を読めば読むほど自分が空っぽになる」的なセリフがあったのだが(それににハッとしたくせに本ばかり読んでる私)、ショウペンハウエルが元ネタだったのかな?各テーマについて、瀧本哲史さんが正反対の主張だと思った本を2冊あげて語る本。格闘技と題するだけあって熱い。普段読まない分野の本がほとんどだったので若干寝落ちしつつ。得意分野の児童書では、まさに最近ディズニー+に入って、ディズニーの脱王子様・脱欧米白人について考えてたので面白かった。そして、ハリポタは原作のロンが一番好きなのでその話も納得。2023/01/21
やな
21
なんとか読了。若くして亡くなった瀧本さんの非凡さがよくわかった。2021/06/05
マッピー
20
私は著者と対話するように読むので、格闘はしないかな。この本では著者と読者の闘いだけではなく、同テーマで視点の異なる作品を闘わせます。例えばRound 8のテーマ『未来』。フランシス・ベーコンの『ニュー・アトランティス』とジョージ・オーウェルの『一九八四年』。ユートピア小説とディストピア小説。対戦する2冊以外にもテーマに沿った本が紹介されていて、読みたい本が増える一方。しかし、待て。私にそれらの本を読む力があるのか?体力があるのか?だけど『韓非子』とか『君主論』とか、すごく気になるじゃない? 2022/01/13
ドレミ
17
瀧本氏の本は2冊ほど読んだが、キレッキレの切り口の語りが最高!この本のタイトルも強烈だが、『なるほど!』と思わせられることも多かった。『自分の考えと著者の考えを戦わせ自分を進化するための読書を!』しっかり胸に刻みたい。2022/01/07