本心

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本心

  • 著者名:平野啓一郎【著】
  • 価格 ¥881(本体¥801)
  • コルク(2021/05発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167921361

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内容説明

【2024年 映画化決定!】

愛する人の本当の心を、あなたは知っていますか?
『マチネの終わりに』『ある男』に続く、平野啓一郎 感動の最新長篇!

「常に冷静に全てを観察している賢い主人公の感情が、優しくそして大きく揺れるたび、涙せずにはいられない。」── 吉本ばなな


「心配だっただけでなく、母は本当は、僕を恥じていたのではなかったか?」
ロスジェネ世代に生まれ、シングルマザーとして生きてきた母が、生涯隠し続けた事実とは──
急逝した母を、AI/VR技術で再生させた青年が経験する魂の遍歴。

◆ 四半世紀後の日本を舞台に、愛と幸福の真実を問いかける、分人主義の最先端。

◆ ミステリー的な手法を使いながらも、「死の自己決定」「貧困」「社会の分断」といった、現代人がこれから直面する課題を浮き彫りにし、愛と幸福の真実を問いかける平野文学の到達点。

◆ 読書の醍醐味を味合わせてくれる本格小説!_

【あらすじ】
舞台は、「自由死」が合法化された近未来の日本。最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「自由死」を望んだ母の、<本心>を探ろうとする。
母の友人だった女性、かつて交際関係のあった老作家…。それらの人たちから語られる、まったく知らなかった母のもう一つの顔。
さらには、母が自分に隠していた衝撃の事実を知る── 。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小説を最初に書いた人にありがとう

60
読破するのに時間を要した。決して面白くないのではなく難解で哲学的だった事で長い時間向き合って読むことが難しかった。 舞台は近未来の世界、急逝した母親をAIで蘇らせることを決めた息子の朔也が主人公。この世界は自分で死ぬことを決められる自由死が認められていて母は生前に自由死を希望していた。その本心を探るためAIの母親を作り会話を繰り返す。仮想空間でのアバターを通してコミュニケーションを行う世界で人の本心を探ることの難しさを書いた小説。複雑な未来が来ることを予言している気がする。2024/03/31

みこ

43
舞台は近未来。自由死(今で言う安楽死)を望んでいた母が事故で急死した。自由死に反対していた息子の朔也は母のバーチャルフィギュアを作成し、母の本心を知ろうとする。現代でも起きている安楽死問題や起きつつあるAI問題など多くの内容を盛り込んでいて、まともに感想文を書こうとすると相当の長編になる。その中でも時の流れにおいてその時の自分はその一瞬にしか存在しえないという話に考えさせられる。なんとなく良い雰囲気を予感させる朔也とティリに待ち受けている未来はは読者の数だけ存在するだろう。2024/01/11

まさ

24
今作も読み応えがあった。誰もが多面的であるから近しくとも知らない面を持つ。作品中のリアル・アバターやVFのような存在はすぐに現実となる。その人が時間とともに変化することも否定できない。それらを含めてその人だ。そんな一人一人(自分自身含めて)を受け容れる難しさを感じつつ、かといって表面的な関係だけではいけないという思い、探っていかなければならない使命のようなものが誰もに備わっていると思う。もちろん、触れてはいけない部分もあるけど。主人公と周りの人それぞれの関係を見ていく中で考えさせられることばかりでした。2023/12/17

ホシ

22
<死の自己選択権>が保証され、メタバースが日常化した2040年の日本。高校中退の後、バイトを転々とたした29歳の朔也はリアル・アバターの仕事をしていた。ある日、母が朔也に「伊豆の河津七滝に行って自分に見せてほしい」という仕事を依頼する。現地で朔也に「〈自由死〉するつもりだ」と告げる母。朔也は母を叱責するが、その後、母は事故死してしまう。母の本心を確かめたい朔也は母のヴァーチャル・フィギュア(VF)を制作する▽平野啓一郎、3作品目。命や幸福の意味を問う、意識の基底部を揺さぶられるような作品でした。良かった!2024/01/07

sheemer

19
先日来読み進めている平野啓一郎は、骨太だ。がっしりとしている。全体的に村上春樹と比較しているが、村上がよりファンタジックでダイナミック、軽みとエスプリが感じられ、より内面的だが、平野はより現実的で重みがあり、泥臭いまではいかないがちょっと田舎臭く、より外部的だ。京都で生まれ神戸で育ち早稲田に行った村上と、蒲生市で生まれ北九州で育ち京大に進んだ平野の違いだろうか。平野は意外なほどにアンドラマチックでそのみっしりとした現実を読者につきつける。 どちらも明らかに社会に憤っている。得るものは両方から、ある。2024/01/25

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