本心

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本心

  • 著者名:平野啓一郎【著】
  • 価格 ¥881(本体¥801)
  • 特価 ¥441(本体¥401)
  • コルク(2021/05発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167921361

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内容説明

主題は「最愛の人の他者性」
分人主義の最先端、傑作の長編小説

【映画『本心』2024年11月8日(金)全国公開公開】
監督・脚本 石井裕也 × 主演 池松壮亮 × 原作 平野啓一郎
“今”描かれるべき 《人間の存在そのもの》 に迫る傑作小説の映画化!

「愛する人の本当の心を、あなたは知っていますか?──」
『マチネの終わりに』『ある男』に続く、平野啓一郎 感動の最新長篇

ロスジェネ世代に生まれ、シングルマザーとして生きてきた母が、生涯隠し続けた事実とは──
急逝した母を、AI/VR技術で再生させた青年が経験する魂の遍歴。

「常に冷静に全てを観察している賢い主人公の感情が、優しくそして大きく揺れるたび、涙せずにはいられない。」
── 吉本ばなな

「私たちの存在価値と欲望は、これから何処へ向かうのか。コロナ後の世界、並外れた傑作。」
──池松壮亮

◆ 四半世紀後の日本を舞台に、愛と幸福の真実を問いかける、分人主義の最先端。

◆ ミステリー的な手法を使いながらも、「死の自己決定」「貧困」「社会の分断」といった、現代人がこれから直面する課題を浮き彫りにし、愛と幸福の真実を問いかける平野文学の到達点。

◆ 読書の醍醐味を味合わせてくれる本格小説!

【あらすじ】
舞台は、「自由死」が合法化された近未来の日本。最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「自由死」を望んだ母の、<本心>を探ろうとする。
母の友人だった女性、かつて交際関係のあった老作家…。それらの人たちから語られる、まったく知らなかった母のもう一つの顔。
さらには、母が自分に隠していた衝撃の事実を知る── 。

『本心』特設サイト  ? https://k-hirano.com/honshin

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

mukimi

131
亡き母のバーチャルAIを母の遺産で作成した独身男性。という出だしだけでだいぶ面白そうだが、実際のテーマは自由死から筆者のライフワークである分人主義へと移ってゆく。よく言うと濃密でわるく言うとせわしない。最愛の人に自分の知らない顔があると言う事実を受け入れることは苦しいがそれを受容できれば愛は深まり、より良い関係に繋がる。初めて筆者の分人主義(1人の人間の中に複数の人格がある)についての本を読んだ時は目から鱗だったが、いつのまにか自分の思考の血肉になっていることに気付いた。人間に絶対は無く執着は愛ではない。2025/03/16

Kanonlicht

98
自由意志による死を望んだ母の「本心」を求め、バーチャル空間に再現した亡き母と対話する主人公。生前の母を知る人物をたずね歩くうち、自身の考え方も大きく変化していく。中盤以降、亡き母よりも生きている人たちのことで思い悩むようになる姿に、親しい人の死を乗り越える人間の強さを感じた。自分なら「死の一瞬前」に何を望むだろう。確かに「死にたくない」より「もう十分」という心持ちでいたいけど、その「もう十分」は置かれた状況から「そう言わざるを得なかった」ものではないと、自信を持って言えるだろうか。2024/11/28

ケンイチミズバ

94
長生きが他者の重荷になる冷たい社会。その片鱗は今この現在にも垣間見えると思う。高齢者の長生き、健常者でない人の、貧困世帯の近未来、今以上の経済的格差が生じ、財政がひっ迫し、登場した自由死という制度。その選択肢は不治の病の苦しみの緩和とは別に弱者排除の側面があることは否めない。「もう十分だから。」には満足の意味と真逆の諦めの意味がある。母の本心は、どちらだったのか。VR技術で作られた母はAIであり、学習能力と人とのコミュニケーションにより自由死を選択する前の母に近づいていくが人間ではないAIに心があるのか。2024/11/26

H!deking

71
映画公開ということなので慌てて読んでみました。えーと、ファンの方には申し訳ないけど文体が好みとは合いませんでした。個人的にはちょっと回りくどい感じが苦手でした。ストーリー自体はさすがに面白かったんですけど、途中から何が言いたいんだかよくわからなくなってきます。それはそうと、三好彩花の役を三吉彩花がやるんですね笑2024/11/06

小説を最初に書いた人にありがとう

65
読破するのに時間を要した。決して面白くないのではなく難解で哲学的だった事で長い時間向き合って読むことが難しかった。 舞台は近未来の世界、急逝した母親をAIで蘇らせることを決めた息子の朔也が主人公。この世界は自分で死ぬことを決められる自由死が認められていて母は生前に自由死を希望していた。その本心を探るためAIの母親を作り会話を繰り返す。仮想空間でのアバターを通してコミュニケーションを行う世界で人の本心を探ることの難しさを書いた小説。複雑な未来が来ることを予言している気がする。2024/03/31

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