内容説明
気が強くて、才能があって、自己主張が過ぎる人。他人のまめまめしさと律義さに、ぼう然としてしまう人。本好き女の離婚確率がわかってしまう人。近頃ダスティン・ホフマンは立派すぎると心配している人。小説は全部恋愛小説なんだと思っている人。寝転んでひたすら活字をなめ回していたい人。がんばり過ぎているあなたのために佐野洋子の本はあるんです。大人のための辛口エッセイ。(解説・おすぎ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoko
34
佐野洋子さんのエッセイを読むのは、これで2冊目。大胆なんだか、小心なんだか、現実的なんだか、夢みがちなんだか分からない洋子さん(馴れ馴れしくも、こう呼びたくなる)。幼い日、大連で貧困の最中に父親に読んでもらったアンデルセン。妹を背負いながら、はたまた通学時、歩きながら、電車の中で、読んだ本たちが洋子さんの一部を形作ったのだろうなぁ、と思います。母親としての身勝手さや、友人との明け透けな(でも、愛ある)会話に、なんだか勇気をもらいました。「色々あるよねー、頑張ろうねー。」と言ってもらえたような気分。2018/04/04
さゆ
34
だらだらとちょっとずつ読みました。良くも悪くも正直で飾らない人で、そこが優しさにもトゲにもなるという。でもやっぱり面白い人ですね。2017/11/13
ひろ
28
佐野洋子さんの辛口エッセイ。個性的で才能豊かな佐野さんの周りには、同じく個性的なお友達が沢山いる。そんなお友達とのアレコレを書いているエッセイを読んでいると、普通でなくて全然いいんだ、ありのままの自分でいて構わないんだと大らかな気持ちになってくる。特にこの頃13歳だった息子さんの発言が愉快で面白い。まだまだ素敵な作品を残せた方だと思うので、亡くなられたと知った時はショックだった。2017/07/10
とりあえず…
28
言わずと知れた名作『百万回生きたねこ』の作者、佐野洋子さんのエッセイ。80編近い多くのエッセイ。そこから伝わってくるのは、逞しく、人間らしい佐野さんの像。過剰に美しく見せることも、格好良くみせることも、ウケをとるようなことも書かず、ありのままの日常を、ありのままのその時の心情を描いた、本当のエッセイ。2013/06/03
いくら
27
はじめは少しとっつきにくいと感じたけど、読んでいくうちに心地よい。無駄のない簡潔な文章は惚れ惚れしてしまう。頭の回転が早く話のうまい、早口で饒舌な佐野洋子さんのエッセイ、最高でした。2014/05/14