文春e-book<br> 警視庁科学捜査官 難事件に科学で挑んだ男の極秘ファイル

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文春e-book
警視庁科学捜査官 難事件に科学で挑んだ男の極秘ファイル

  • 著者名:服藤恵三【著】
  • 価格 ¥1,700(本体¥1,546)
  • 文藝春秋(2021/03発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163913445

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内容説明

解明せよ! その毒物は何なのか? 黒煙はどう流れ被害者たちを襲ったのか? 閉じ込められた幼児はいつ窒息したのか?
科学捜査官第一号となり、日本の科学捜査の基礎を築いた著者が初めて明かした戦いの軌跡。

警視庁科学捜査官第1号となった著者は、全国の数々の難事件を背後から支えてきた。
地下鉄サリン事件では最初にサリンを同定、サリンを製造したオウムの土谷正実と取調べで対峙し自供を引き出した。
和歌山カレー事件では思わぬ場所からヒ素を発見、ルーシー・ブラックマン事件では暴行ビデオの解析から使用薬物を特定した。44人の死者を出した歌舞伎町ビル火災では、煙の流れを検証し、防火扉が閉まっていれば多くの人命が助かったと結論、管理者の業務上過失致死傷罪立証に寄与した。
知られざる科学捜査の真実が明かされる、まさに一気読み必至のドキュメントだ。

本書に登場する主な事件
地下鉄サリン事件 東電OL殺人事件 イラン人トランク詰め殺人事件 警視庁清和寮爆破事件 和歌山カレー事件 長崎・佐賀連続保険金殺人事件 国立療養所アジ化ナトリウム混入事件 奈良硫酸サルブタモール殺人未遂事件 ルーシー・ブラックマン事件 北陵クリニック薬物使用連続殺人・殺人未遂事件 世田谷一家4人殺害事件 新宿歌舞伎町ビル火災 川崎協同病院安楽死事件 東京駅コンビニ店長刺殺事件 福山市保険金目的放火・殺人事件 パロマガス湯沸器事故 大阪幼児死体遺棄・殺人事件 名張毒ぶどう酒再審請求

目次
第1章 オウムの科学を解明せよ ~地下鉄サリン事件
第2章 憧れの科学捜査研究所へ
第3章 真の科学捜査とは何か ~和歌山カレー事件
第4章 続発する薬物犯罪 ~ルーシー・ブラックマン事件
第5章 現場の捜査に科学を生かす ~歌舞伎町ビル火災
第6章 犯罪捜査支援室の初代室長となる ~東京駅コンビニ店長刺殺事件
第7章 警察庁出向から副署長へ ~大阪幼児死体遺棄・殺人事件
第8章 生きがいを求めて ~名張毒ぶどう酒事件再審請求
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

88
ドラマ『科捜研の女』では一丸となって証拠分析に取り組む科学捜査官を描くが、実態はこんなにもお寒いものだったとは。時代遅れの徒弟制度で進歩を忌避し、少しでも目立てば出る杭は打たれて排除される。そんな硬直した警察組織に真の科学捜査を導入しようと著者はオウム事件をはじめ平成を騒がせた犯罪解決に挑むが、道なき密林を踏破するのに似て困難を極める。従来のやり方を墨守する組織の壁を壊し、本当の意味で科学と捜査の融合はいつ実現するのか。「難事件に科学で挑む」と同時に「組織内の異能人をいかに活用すべきか」を考えさせられる。2021/08/16

くさてる

22
地下鉄サリン事件、和歌山カレー事件、ルーシー・ブラックマン事件……といった有名な事件で実際に科学捜査に携わってきた著者による、警察組織のなかでの奮闘記。間違いなく有能で結果を出してきたまっすぐなひとなのだろうけど、だからこそ組織のなかではいくつもの壁にぶつかっている。そのリアリティが内容に深みを与えている気がした。面白かったです。2021/06/30

スプリント

21
自伝、かつ苦心談。 どれだけ頑張ったかが懇切丁寧に書かれており 著者の偉業を一番良く知る人物がほめたたえた本です。 彼の活躍なくして解決できなかった事件は数多くあることを知ることができます。 彼をもっと生かすことができなかった組織に喝を入れてあげてください。2022/01/22

tetsubun1000mg

21
ノンフィク専門の書評サイトHONZのレビューを読んで選ぶ。一般的には無名の方だが、東京理科大卒で研究職で採用される。科学捜査官時代にサリン事件で分析だけでなく、土谷容疑者への尋問で化学式や生成法を特定して自白に導いた伝説の捜査官。科学の知識だけでなく医学知識を求めて大学院で研究して医学博士を習得してしまう。研究だけでなく刑事、検察官などの素人にも分かりやすく説明できる極めてまれな人。日本の科学捜査の礎を築いた人なのに、認められない時期もあり苦労されたようだが、大変読み応えがあり書き残す価値が有ったと思う。2021/07/09

よし

15
科学捜査の裏側を設立当初から関わっている著者の自伝的作品。どう考えても正しいことをしているのに、組織というものは絶対に足を引っ張る人間もいる。それでも現場のため国民のために尽くした著者には頭が下がる思いだ。2023/05/20

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