リングサイド

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リングサイド

  • ISBN:9784093865883

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内容説明

台湾の新世代作家、堂々のデビュー!

この小説はプロレスについて書いている。
それはつまり、人生について書いているということだ――西加奈子(作家)


知りたかった事が書いてあった。みんなの生活の中でのプロレスの存在意義。 そうか。プロレスラーは記憶の中で、画面の中で生き続けるんだなぁ――棚橋弘至(プロレスラー)


【作品紹介】
「ばあちゃんのエメラルド」
あの頃、親父は漁船に乗っていつも家を空けてるし、お袋も出て行って、家にいるのはばあちゃんと 俺、それに黒犬の来福の3人だけだった。ばあちゃんと俺は毎晩、古い試合を何度も繰り返し放送する ケーブルテレビで三沢光晴を応援していた。だけど、俺はある日、とんでもないことを知ってしまったんだ――。

「タイガーマスク」
安ホテルの受付バイトをする大学四年生(留年決定)の俺は、バイトの先輩からなぜかタイガーマスクのマスクをもらう。ホテルに“ 配達” される女の子の一人が気になり、ある日、意を決して隣のホテルに彼女を呼んだ。でも、俺にできたのはマスクをかぶったまま彼女としゃべり続けることだけだった。

――プロレスと出逢い、魅せられた人びとの人生ドラマ10話からなる連作短編集

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tetsubun1000mg

14
表紙の三沢光晴のエルボー攻撃のイラストに引かれて選ぶ。 韓国か台湾のプロレスファンが書いた本かな?と思ったがやはり台湾の作者だった。 台湾のケーブルテレビでは、日本のプロレスの古い映像が流れていたらしい。 アメリカンプロレスと日本のプロレスとの比較や気に入り方が面白い。インディーズプロレスとして台湾にじわじわと広まっていく過程は面白い。日本のインディペンデントローカルプロレスと同じ流れのようだ。文章は雑だが筆者のプロレス愛に引き込まれてしまった。2021/03/27

荒野の狼

12
本書は台湾の作家である林育德による10編のプロレスに関する短編集。それぞれの短編はゆるく関連しているので通読するのがベストだが、独立した話としても楽しめる。フィクションに、実際の台湾の情報・政治などが、各短編の終わりに注として書かれているので、小説の内容が一部はドキュメンタリーのように受け取れる効果が出ている。 表紙は三沢光晴だが、三沢に関するものは「ばあちゃんのエメラルド」は20ページの作品で10分もあれば読了できるが、2016年の台北文学賞を受賞p311している。2024/03/03

5〇5

10
プロレスに関わった人々の人生のドラマが語られる ♦ファンやその家族・知人もいればレスラーもいる ♣彼らはプロレスと繋がることで、勇気や希望を貰い、あるいは与える ♥台湾の著者で舞台も台湾であるがプロレス愛は変わらない。スッと心に響いてくる ♠表紙絵のレスラーは三沢光晴。読後に「スパルタンX」を聴くと感慨深い。2021/06/22

辺野錠

7
台湾なのに日本のプロレス?と気になって手に取る。台湾を舞台にそこで放送される日本プロレスによって起こる様々なドラマと言うのが面白いと思った。話が所々で繋がっているのも良かったポイント。「テーブル、はしご、椅子」での兄弟の関係と「ばあちゃんのエメラルド」での亡くなってもテレビの中で生きているというのが印象に残った。2021/05/10

りえぞう

6
◎。エドワード・ヤン映画的な台湾の夜を思い浮かべつつ読んだ。おばあちゃんのエメラルドが特に良かった。故・三沢光晴がこんなところで異国の人たちの心に残っているとは! オムニバス映画を見ているようで、なんか余韻があってよい連作短編集だった。2021/06/07

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